先日、「えっ」と思うことがありました。
当院から100キロ以上離れた街から患者さんの受診がありました。時々あることなのですが、別の専門医をにかかっていて、納得いかないと当院を受診されたのだそうです。
“湿疹”があり、地元の皮膚科にかかっていましたが、改善がないため、小児科のアレルギー専門医を尋ねたのだそうです。皮膚科というと、流れ作業であっという間に診察が終わり、改善してなくても同じ薬を出すところが多い印象です。
この皮膚科さんも、ご多分にもれず、そういうところでした。皮膚を対象にしているので、患者さんだって見えるんですよね、皮膚が。それを良くできないのであれば、紹介してくれればいいと思うのですが、あまり良心的な医者っていないのかなって思ってしまいます。
見切りをつけて、小児科医でアレルギーにこだわった医師にかかるのは賛成です。小児科医の方が、子どもを思いやる気持ちに長けている気がしますし、「アレルギーを診る」ってことをやっているように思います。
今回の患者さんは、“湿疹”があり、要はアトピー性皮膚炎でした。赤ちゃんなら、アトピー性皮膚炎かどうかを見極めて、経皮感作を防ぐ、もし卵などがアレルギー採血が陽性ならなるべく早く食べさせるようにするというのがポイントです。
前医では、TARCというアトピー性皮膚炎の指標になり得る数値が少し高かったため、アトピー性皮膚炎であろうという診断でした。プロアクティブ療法をするように言われたそうです。ただし、お薬手帳を見ると、明らかに過小治療という軟膏が処方されていました。
驚いたことに、皮膚は地元の総合病院に通うように言われたのだそうです。多分、ご自宅からその専門医の医院まで70キロほど離れています。親御さんも通う覚悟を持って受診されているのに、専門医のいない総合病院に丸投げされてしまったのが不満で当院を受診される気になったようです。ちなみに、当院までは120キロくらいあり、更に50キロも遠くなってしまいます(汗)。
逆に、燃えるんですよね。「オレが絶対よくしてやる」って(笑)。
ちなみに、クラス3の卵は1歳まで除去と説明されていました。アレルギー専門医がこれでは、困るんですが…。
この日は、20~30分説明したでしょうか。家族歴の影響も少なくなくアトピー性皮膚炎になったこと、経皮感作を受けて卵の数値が上がっていること、“1歳まで卵除去”と言われたことが、正しいとは思わないこと、負荷試験で卵を0歳から食べさせていく方針であること、皮膚症状を改善させるのに十分な強さのステロイド軟膏を選択する必要があること、とにかく攻めの姿勢で積極的に広く塗り、皮膚の状態を高値安定させるのがプロアクティブ療法だということなどを説明しました。
ついでに、専門医を早期に受診していたら、経皮感作を予防するために軟膏治療を徹底するため、卵のクラス3を予防するのが目標だったこともお話ししました。
申し訳ないですが、前の専門医は、親御さんの覚悟を見抜き、自分のところで治療をしていくべきだったのだろうと思っています。とどのつまり、その医師には、少々荷の重い患者さんだったのだろうと思っています。
レベルの低い皮膚科にひっかかり、治療が遅れましたが、その日からがスタートであると強調し、ともに頑張っていこうという話をさせていただきました。
きっといいスタートができるのだろうと信じています。


