小児科 すこやかアレルギークリニック

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時代が追いつく
2017年04月25日 更新

食物アレルギーの診療に「食物負荷試験」は欠かせません。

医師として正しいことをやりたい、そうでなければお金はいただけないと思っています。いつも言っているように、自分の都合を押し付け、デタラメをやって「はい、お金ください」なんてやっている開業医がいかに多いことか…。

今でこそ、負荷試験をやる小児科医が増えてきましたが、私がかかわり始めた15、16年前は、全国的にも負荷試験はほとんど行われていませんでした。

全国的に有名な専門病院でも、ぜんそく一辺倒で、食物アレルギーはほとんどノータッチだったりしました。患者さんのニーズに合わせて変化していくことは大事ですが、変わり身が早いとも言えますかね(笑)。

つまり、全体的に負荷試験は歴史が浅いと言えるのだろうと思っています。

かれこれ10年近くになりますが、卵アレルギーなら負荷食材は卵料理でなければいけないとされていました。私の恩師が卵クッキーを使って、食べられるなら食べさせてあげたいと発言しても、「卵料理でなきゃダメでしょ」とピシャリ。

確かに、小麦などと混ぜた加工品はアレルギー症状を起こしにくくするため、「閾値」が分かりにくいのです。閾値というのは、アレルギー症状を起こす量のことを表します。

つまり、以前の負荷試験は食物アレルギーを測るための道具だったように思っています。しかも、負荷試験途中で症状が出てしまえば、完全除去と指導されていました。

当院の場合は、食べられるものなら食べさせたいという考えで、卵クッキーを用いて負荷試験を行ってきました。これだと、閾値は分かりませんが、卵クッキーを食べられたことは事実なので、それを食べている限りは問題は起こらないのです。

閾値が分からないのは不安もなくはないですが、食べられるものを増やすという意味で
重要だと考えていました。これって患者さんにとっては極めて大切なポイントです。

専門病院では、多くの負荷試験を行っていましたが、閾値を超えて症状が出たら、「はい、完全除去ね」と指導されており、「これでいいんだろうか?」という思いはありました。

時代は進み、最近は加工品を食べさせることが脚光を浴びています。少量でも食べている方が患者さんにも有利だし、卵アレルギーが治る可能性が出てくることが分かってきたからです。

以前は食べられるものを増やしたい一心で負荷試験をやってきましたが、最近は治療として意識して食べてもらうようにしています。私からすれば、やっと時代が私に追いついてきたと言えなくもありません(笑)。

専門病院でも、研究的な意味合いが見え隠れしていましたが、最近は患者さんに寄り添うようになってきており、徐々に患者さん本位になってきたように感じています。