小児科 すこやかアレルギークリニック

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責任感不在
2017年05月04日 更新

昨日、労力と題した話をしました。

本来、感染症も含め、正しく診断し、治療することは当たり前のことでしょう。ただ、多くの小児科が効率を重視し、いかに1人当たりに時間をかけないようにしており、相当にクオリティーの低い医療を患者さんに押し付けているように感じています。

と同時に、責任感不在も強調したいと思っています。

食物アレルギーは、当院では「いかに食べさせるか」を念頭に置いていますが、ちゃんと食べさせようとしている小児科医ってどれくらいいるんだろうと思っています。もちろん、患者さんを危険な目にあわせたくはないので、負荷試験をしていますが、世の中の9割、いや9割5部の医師が負荷試験をやっていない現実があります。

私が食べさせるように働きかけないと、「この子は一生食べられないんじゃないか」という危機感を持っているつもりです。もちろん、食べて症状が出れば除去が原則となりますが、食べられるかどうかの確認はする必要があります。

新潟県内では、食物アレルギーを専門的にやっている医師がほとんどないので、患者さんからすれば、否が応でも当院を受診しなければいけない状況にあったりします。

アレルギーは合併しやすく、実際にアトピー性皮膚炎から「経皮感作」で食物アレルギーを発症します。また、ぜんそくやアレルギー性鼻炎もかなり合併しやすくなっています。

咳が出やすいので、小児科医にかかっており、皮膚を痒がり、皮膚科にも行っていて、更に鼻も長引き、耳鼻科にも定期的にかかっていますというお子さんは少なくないと思っています。

当院では、アレルギーをトータルと診たいと思っており、これらのいずれも診ているという患者さんもいらっしゃいます。一人の医師が3つの病気とも診ればいいのに、実際は小児科のほか、皮膚科や耳鼻科でも医療費がかかっており、いわば3倍の医療費がかかっています。

一人の医者が責任を持って診れば、医療費は節約できるはずです。

実際のところは、それぞれの医者がテキトーに診ており、いつも言っているようにアトピー性皮膚炎なのに乳児湿疹とか、はたまた病名も告げられずに効かないようなステロイド軟膏が延々と処方されていたりします。

当院に食物アレルギーでかかり、アトピー性皮膚炎の存在を指摘され、1週間で皮膚症状が劇的に改善するってことは日常茶飯事です。敢えて言えば、皮膚科に無駄に通わされていたということでしょう。

耳鼻科にもケトチフェントやムコダインという大して有効とは思えないような薬を2週間毎とか延々と処方され、通院している患者さんも見かけます。良くなっていないにもかかわらず、同じ薬を処方し続けられており、“計画的犯行”と思わせるケースも見かけます。

アレルギー性鼻炎はなかなか根治が難しいですが、例えば点鼻薬を併用したりすると、かなり改善したりします。明らかにQOLが上がることがあります。

当院では、トータルで診療する努力をしているつもりで、皮膚科や耳鼻科医的なこともやっており、場合によっては2倍、3倍の仕事をしていると言えなくもありません。

アレルギーを責任を持って診ようとすれば、効率は悪くなり、労力がかかるだけというのが現実でしょう。逆に言えば、責任を持って診ないようにすれば、効率よく利益を上げることができます。それが、タラタラと咳は小児科、皮膚は皮膚科、鼻は耳鼻科に通わせ続けられているという状況でしょう。

医師は誰も主体的にならず、もちろん責任も持たない。アレルギーはこのような状態の患者さんをよく見かけます。

このような状況に違和感を持つことから始めていただきたいと思っています。