アレルギー疾患は、どれも慢性的な経過を辿ります。
今の医学をもってしても、そう簡単に治らないから慢性疾患なのであって、我々医師も「治す」というよりも「症状を安定させる」ということに力を入れてきたように思います。
ぜんそくも、まさに慢性疾患ですが、12歳前後で治ることもあります。もっと早く落ち着くこともあるようです。その一方で、大人に持ち越してしまうこともあります。
北欧のデータだったと記憶していますが、子どものぜんそくが30年後にどうなったのかを調べた論文がありました。
ザックリ言うと、25%は治っていて、25%は検査すると異常は残るが、症状はほぼ治まっていて、残りの50%が現在も治療中というものでした。
これをみても、ぜんそくがいかに治りにくいかを表していると思います。思春期のぜんそくの患者さんは反抗期にあったりして、通院もままならないことも多いようです。安易に「治るから大丈夫」と言わないようにと教えられたものです。
しかし、ゼーゼー繰り返していた患者さんが、来なくなったと思ったら、実はゼーゼーしなくなっていたなんてことは、小児科医なら経験していることと思います。年齢的に若く、重症でなければ、治ることもあるのだろうと考えています。
当院では、生後1、2か月の発症ホヤホヤであろうアトピー性皮膚炎の患者さんを最近多く診ています。冒頭の「治るんですか?」という質問は、その親御さんから出たものです。
アトピー性皮膚炎は、ぜんそくに勝るとも劣らない治りづらい慢性疾患です。かと言ってぜんそくと同様に、いつの間にか症状が落ち着き、通院しなくなるお子さんも存在するようです。
当院の行っている発症間もない患者さんを拾い上げ、治療をするということは、まさに早期発見・早期治療ということになります。何年もこじれて、治りづらくなっている皮膚を治療するのとは、訳が違うことになります。
以前というか、今でもアトピー性皮膚炎の湿疹のあるところにステロイド軟膏を薄く塗り、よくなったらステロイドは止めるという指導をしている小児科医、皮膚科医は多いですが、今は全体にベットリ、しっかり塗り、皮膚の状態をよくし、更にはプロアクティブ治療で安定させていくことが大切とされます。
その延長線上に「治癒」があると信じたいと思うし、それを目標にしていなければならないと思っています。


