学会に行ってきました。
出掛ける当日、16日のことですが、日本小児アレルギー学会からメールが来ました。卵アレルギーを乳児期から少量食べて予防しようという提言でした。
これは、昨年12月に成育医療研究センターの大矢先生達のグループが世界的に有名な医学雑誌に採用され、世界に衝撃を与えたと言っていいであろう研究に基づいています。
それがメディアにも公開され、以下のようなネットニュースでも取り上げられています。
http://www.sankei.com/life/news/170616/lif1706160043-n1.html
これは、この場でも相当取り上げています。重症な乳児アトピー性皮膚炎は、様々な食物アレルギーを合併しやすく、その中でも卵アレルギーが最多です。世の中には、卵アレルギーで日々卵を除去するようかかりつけ医から指導されている方が多いと思います。
そんな卵アレルギーが予防できるのではないか?と分かってきたので、学会側も早く患者さんに知らせたいと思い、今回の提言につながったのでしょう。
もう一度触れますと、乳児期早期に発症した入院治療を要するようなアトピー性皮膚炎の赤ちゃんを、まずしっかり治療します。そういう患者さんはのちに卵の数値が上がってきたり、既に上がっています。
そういう赤ちゃんに一律少量の卵を3か月与え、次の3か月は増量して与え、1歳の時点で卵アレルギーかどうかの負荷試験を行います。卵を食べていた群と、食べていない群を1歳の時点で卵の負荷試験で比較すると、食べていた群の方が8割卵アレルギーが少なかったという内容です。
ここまでキレイな結果が出た研究は世界中を探してもなく、世界に衝撃を与えたとは、そういう意味です。
その理由は何故か?。加熱卵を使ったことが挙げられています。外国の研究では、生卵を使ったため、強い症状を強い症状を起こした患者さんが相次ぎ、研究が中止に追い込まれたとか…。何て荒っぽいことをやるのだろうと思ってしまいます。
最大のポイントが、皮膚をキレイにしたことでしょう。だって皮膚をキレイにしないと、皮膚から卵が入り続けて「経皮感作」をブロックできないから。
今後は、成育医療研究センターの方式が世界のスタンダードになっていくものと思われます。日本でも真似をする施設が増えてくるでしょうね。
学会では、既に卵アレルギーを発症した児に少量の卵を食べさせるのは危険を警告しています。
そうは言っても、卵アレルギーを発症したかどうかの判断は医師にとっても難しいことです。実際、今回の研究では、既に卵白の値が0や1の陰性もあれば、クラス2から5までの陽性もあったようです。少量から食べさせることで、“発症させずに済んだ”という形なのでしょう。
これをできるアレルギー専門医は、日本にどれだけいるのでしょうか?。ちなみに、私も発症予防にはこだわっているし、数値が高かろうが、微量の卵を食べさせるようにしています。
確かに今回の提言は、一歩間違えば、アナフィラキシーという事故を起こします。一部の非専門医は、知ったかぶりをして「家で少しずつ食べさせましょう」と言うことでしょう。かかりつけの患者さんを危険にさせず、負荷試験をやってくれるのが良識のある専門医だと思います。
安易に飛びつかず、こだわりを持った専門医に相談の上にやられた方がいいと思っています。既に当院ではこの辺のことに取り組んでいるため、いつ相談に来られても結構です。


