小児科 すこやかアレルギークリニック

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「もう既に」
2017年06月21日 更新

今日は、県外で講演がありますので、休診となります。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

ここ2日、学会からの「提言」について触れています。

生後6ヶ月から卵を少量食べさせるというもので、「食べるな」よりも「食べた方がいい」という食物アレルギーの方向性を明らかにした点は評価できると思っています。ただし、昨日も書いたように、患者さんは混乱すると思っています。

「提言」が公表されて以来、外来でも説明する機会があります。ご存知ない方も多いですが、一部「ニュースで見ました」という方も。

半年前から新潟市から通ってくださっている患者さんの診察時に、その話が出ました。湿疹でご苦労されていたのを周囲の方もご存知のようで、「提言」のニュースを見た知り合いの方何人かが、ご親切にも教えてくださるのだそうです。

この患者さん、地元の医療機関に通っていましたが、“誤診”されており、改善がないため、思いきって当院を訪れたのが昨年12月中旬のこと。今回の「提言」のもとになった成育医療研究センターの研究結果が発表された少し前のことでした。

アトピー性皮膚炎を見破り、湿疹は「経皮感作」を引き起こすからとしっかり治療していきましょうと説明していました。アトピー性皮膚炎の湿疹があると、卵が陽性になってくることが多いのですが、この患者さんは皮膚からの卵の侵入を防げたのか、卵は陰性のままでした。

除去する根拠がないので、離乳食として卵を少量から食べ進めるようにアドバイスしており、今では普通に食べているそうです。

つまり、「経皮感作」の元になるアトピー性皮膚炎を早期に対処することで、卵アレルギーの発症を防げた可能性があると思っています。先日の診察時に「提言」の話が出ましたが、「もう既にやっています」と言いました。

食物アレルギーの分野は、まさに日進月歩で、いろいろなことが分かってきています。予防の可能性があるならば、臨床に取り入れたいと考えています。もし手をこまねいていては、患者さんは後悔しか残らないからです。

今回の対応は、やっておいて損はないからと始めています。採用する医療期間が増えて欲しいものだと思っています。