先週の土曜日、診療が終わり次第、車を南に走らせました。
16時まで福井市に行かなければなりません。日本小児皮膚科学会で、16時から聞きたい話があったからです。
12時半頃に医院を出て、少々飛ばし気味で北陸自動車道を南下します。距離にして260キロ。チンタラしていたら、間に合いません。幸い、順調に走り続け、16時には余裕を持って到着することができました。
聞きたかったのは、最近卵アレルギーの発症予防について書く機会が多いですが、それを導くきっかけになったのが、成育医療研究センターの大矢先生です。大矢先生の話を聞こうと、午前中の診療で疲れた身体にムチ打って、頑張って運転しました。
最近は、世界各国で食物アレルギーを予防しようと研究が行われているのですが、わが国のデータが最も優れているとされています。赤ちゃんに生卵を少量食べさせる研究もあったそうですが、大矢先生のグループは加熱した卵を少量食べさせていることも成功のポイントを言われています。
もう一つは、皮膚をキレイにしたこと。アトピー性皮膚炎と食物アレルギーがイマイチつながっていない方もいらっしゃるかもしれませんが、皮膚から食べ物が入り、「経皮感作」を起こしますし、アレルギー症状で異常が出ることが多いのも皮膚です。皮膚をキレイにしておくことは、基本中の基本となっています。
ちなみに、今回聞いてきたのですが、ダニやホコリを減らす環境整備を行っても、アレルギー疾患は予防できないようです。かえって、赤ちゃんの時に卵などに反応が出ていると、のちのぜんそく発症のリスクになっているようです。
何だか、乳児期早期から介入することで、アレルギーを根本的に減らすことができるのかどうかってことになるのでしょうか?。まだまだ研究の積み重ねが大事ですし、それを待つしかないんでしょうね。
私も興味ある分野ですし、私が現役医師であるうちに大きな方向性が示せるようになるといいなと思いながら、帰ってきました。ということは、診療し、その一方で学会活動をするというライフスタイルはしばらく変えられませんね。徐々に体力的にキツくなっていくんでしょうけどね(汗)。