巷の3連休も、私はその2日は講演でした。
差し当たり、私の中でも重要だった栄養士会の講演が終わり、ちょっとホッとしています。
ただ、明日はハチ毒の話をしなければならず、準備をしなければなりません。ハチ毒というと、子どもは局所反応、大人はアナフィラキシーが多いようですが、私も1例アナフィラキシーショックの経験があります。
その患者さんの経過や、ハチ毒の一般論を勉強し直してスライドを作らないといけません。時々ドリンク剤を飲みつつ、講演準備を頑張っていますが、「早く無事に全部終わってくれ~」って感じです(汗)。
先日、遠路遥々受診された赤ちゃんがいました。8か月なのですが、先月卵を食べて自宅で顔色が悪くない、意識がハッキリしなくなったそうです。親御さんも卵アレルギーの「た」の字も考えていなかったので、寿命の縮まる思いだったことでしょう。
近隣の大病院に搬送され、治療を受けたそうです。問題はそれからです。8か月ですから、体重は8キロ台です。
どういう訳か、エピペンが処方されたそうです。
エピペンは「0.15」と「0.3」の2規格あり、体重を見て処方します。「0.15」は体重15キロ以上、30キロ未満ですから、園児から9歳くらいまででしょうか?。「0.3」は体重30キロ以上の子どもから大人までとなっています。
私は12キロ半ばで処方している患者さんがいます。重症な牛乳アレルギーのお子さんで、他にも13キロ、14キロの患者さんにも必要と考えた患者さんには、親御さんに説明した上で処方しています。
以前、日本の第一人者に体重が何キロからエピペンを処方しているのか質問したことがあります。1人だけ10キロから、他は13キロくらいがいう意見が多く、15キロを守っているという医師もいました。
8キロ台だなんて、聞いたことがありません。何かあっても医師自身が責任を持つといういうことのはずですが、そうした説明もなかったようで、そもそも当院の受診の理由の1つが、8キロ台でエピペンを使っていいのかというものでした。
もう驚き以外の何ものでもありません。私も稀にありますが、薬局から処方量の確認の連絡がくることがあります。大抵うっかりで、薬局のダブルチェックは有り難いなと思っています。
この患者さんの場合、かなり大きな病院でこんな処方がなされました。ダブルチェックはあったのでしょうか?。それとも医師が「いいんだ」と薬剤師を押し切ったのか?。
それにしても、これだけ大幅に体重を下回った処方して、何か起こったら責任を取るだけの覚悟があるのだろうかと思っています。ちなみに、処方したドクターはアレルギー専門ではありません。
私ならどうするか?。エピペンは処方しませんが、卵を食べさせるでしょうね。もちろん少量からですよ。そうやって解決しようと考えます。
人にはうっかりミスが付きものです。アレルギーだけでなく、他の病気でも誤処方は許されません。医師と薬剤師の連携のもと、ダブルチェックが徹底させることを望みます。