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“負荷試験どころ”です!
2017年08月07日 更新

7月に全国学会があり、それが終わることでだいぶ楽になりました。

先週末は「メイワサンピア」という新潟市内の流れるプールに行き、昨日は「芝政ワールド」に行ってきました。

この施設は、福井県にある全国有数のプール施設で、前日の夜中に出発し、車内泊でした。天気が良かったので、今日は皮膚が痛い(汗)。

先週の金曜も、市内の保健師さんへの講演がありました。その準備も少し大変でしたが、その中でとにかく少しでも食べさせていく姿勢が大切であるという話もしてきました。

例えば、卵白6、ミルク6、小麦6という患者さんがいたら、多くの医師は「負荷試験どころじゃない」というでしょう。いやいや、“負荷試験どころ”です。

負荷試験をあまりやっていない医師が、そういう言葉を発しやすく、「お前が言うんじゃない」とツッコミたくなります。

少なくとも私のこれまで経験してきた中では、負荷試験どころじゃないと思ったケースは1例もありません。結局、医師の方で、勝手に限界を決めて、「何もできない」と思い込んでいるだけでしょう。

じゃあ、「卵白6、ミルク6、小麦6の患者さんに卵焼き1個、牛乳200ml、うどん100gを食べさせられるのか?」という反論が聞こえてきそうです。

クラス6だと、ごく一部のケースを除いては、それぞれを完食することは難しいでしょう。でも負荷試験をすることで、卵白を表面につけた卵黄、牛乳2ml、うどん5センチでも食べられることが分かれば、それを足がかりとして食べさせていけばいいのだと考えています。

要は、とらえ方の問題だろうと思っています。少しでも食べさせ、治す方向に持っていきたいと思えば、こういう数値の高い人であっても、スキだらけだと思っています。つまり、「負荷試験どころじゃない」ではなくて、付け入るスキは十分あるということです。

「アナフィラキシーのリスクがあるでしょ」という声も聞こえてきそうです。当院は卵も乳も小麦もクラス6の患者さんに負荷試験を行っていますが、常に慎重に行っているため、クラス6だからアナフィラキシーが多いという経験はありません。

逆に、アナフィラキシーを起こした患者さんはクラス3とか4ということの方が多い印象を持っています。

負荷試験は何を目的にやっているのか?。少しでも食べさせるきっかけを作るために、やっています。それには、諦めない姿勢が必要です。

そういう意味では、「負荷試験どころじゃない」という言葉は、どの患者さんにも当てはまらないと思います。

現在の主治医からそういう言葉を言われている患者さんは、一度相談していただければと思っています。