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ヒエラルキー
2017年08月21日 更新

それって何?とお思いの方もいらっしゃると思います。

簡単に言ってしまえば、上下関係を表しています。大学で言えば、教授、准教授、講師、助教、医局員、研修医って感じでしょうか?。

私は田舎の開業医なので、大学病院の医師>大病院の医師>大きくない総合病院の医師>開業医という構図もあると思います。

先日、県外の患者さんがご実家が上越ということで、当院を受診されました。話を聞いてみると、アトピー性皮膚炎もありそうで、卵アレルギーもあるようです。その方は大学病院にかかっているそうです。

ところが、アトピー性皮膚炎の診断もなく、スキンケアの指導を受けているのみで、卵については、自宅で少し食べるよう指導されていました。

正直「何じゃそりゃ」って思ってしまいました。今では、卵アレルギーがあると、多くは皮膚から卵が入り込み発症すると考えられています。私の経験上も、ほとんどがそのルートで感作を受けているものと考えています。

確かに、最初は開業医の小児科か皮膚科にかかっていたのでしょうが、大学病院にかかった時点で、最初から話を聞き直し、皮膚のこと、卵アレルギーのことを考えてあげる必要があると思います。

皮膚の状態を良くし続けなければ、別のものに対しても「経皮感作」させてしまうかもしれません。アトピー性皮膚炎はかなりねちっこいので、前向きの治療を継続している必要があろうかと思います。

いつも言っていることですが、そもそも食物アレルギーは自宅ではなく、医師の目の前で食べさせる「食物負荷試験」を勧めるべきです。「それができない大学病院って一体…」って感じです。

全国に多くの大学病院がありますが、田舎の開業医である当院の方が、食物アレルギーでは量、質ともに勝っているだろうなと思われる大学がいくつも存在するのも事実だろうと思います。いや、かなわないなと思う大学病院の方が少ないですね。

既に医療は、医師個人がどれだけその分野に関心を持ち、こだわって勉強し、どれだけ患者さんに役に立ちたいと思っているかにかかっており、医療のヒエラルキーは完全に崩壊していると思っています。

もちろん、手術などグループとしての医師の力が求められるもの、高額なハイテク機器が求められるものに関しては、そうは言い切れませんが、特にアレルギーは医師1人の力が左右すると思っています。

私は私のできることを、これまで通りやるだけだと思っています。