小児科 すこやかアレルギークリニック

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2017年08月22日 更新

少し前のことになりますが、乳成分でアナフィラキシーを起こした患者さんがいました。

牛乳アレルギーとしてはかなり重症で、体重は15キロないですが、エピペンを持たせています。

ある日、小さなお菓子屋の和菓子を食べさせました。もちろん、パッケージ裏の原材料表示を確認し、乳成分が含まれていないことを確認しています。

ところが、食べてまもなくアレルギー症状が発現し、一気に悪化しました。過去に乳の誤食でアナフィラキシーを起こしており、それとソックリでした。つまり、食べた和菓子の中に乳成分を含んでいると考えられました。

この場合、店側の不備で本当は乳成分が含まれていたという場合と、別のアレルゲンで症状を起こしたという2つが考えられると思います。

もしかしたら、こういう経験をされた患者さんは、言葉は変ですが、泣き寝入りしている方もいらっしゃるかもしれません。つまり、乳が考えられるんだけれど、含まれていないと表示されているし、よく分からないけれど、別のアレルゲンで起きたのかもしれないと…。

このケースでは、この患者さんが重症な牛乳アレルギーであり、店側の表示ミスを強く疑いました。そのためには、和菓子に微量の乳成分を含むことを証明してみせないといけません。

以前も依頼したことがあるのですが、食品を持参すれば、卵や乳成分を含むかどうかを調べてくれる施設が上越市内にあります。検査費用が数万円と高いのですが、今回はお願いしてみました。

数日して結果が出ましたが、乳成分を含むという結果が出ました。

いろいろ忙しかったので、報告が遅くなりましたが、地元の保健所に通報しました。患者さんが表示を見た上で、安心して食べさせて、その結果アナフィラキシーを起こし、救急搬送されたくらいなので、店側には改善があってしかるべきです。具体的にどういう指導があるのかは分かりませんが、私のやれるところまでやったつもりです。

原材料表示はともすると信用してしまうものですが、過去にも疑わしいケースもあったように思います。詳しく原材料の含有を調べてくれる施設が近くにあることは今年になって知ったので、今後もこういう対応が必要かもしれません。

私も初めての経験でしたが、店側が改善され、同じような事故が起きないことを期待しています。