小児科 すこやかアレルギークリニック

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皮膚が先
2017年08月31日 更新

今年の6月に卵アレルギー発症予防の提言が出て、それについて何度もこの場で触れています。

メディアの報道の仕方にも問題があると思いますが、生後6か月から少しずつ卵を食べさせるという部分が独り歩きしているように感じます。

多くの専門医は、それだけじゃいけないことは分かっています。食物アレルギーはアトピー性皮膚炎を合併していることが多く、皮膚をキレイにすることが先決なのです。

非専門医と一部の専門医がアトピー性皮膚炎の診断ができません。軽微なアトピー性皮膚炎の診断は、相当難しいです。ただ、それを見逃してしまうと、「経皮感作」を許してしまい、食物アレルギーが進んでしまいます。

いずれにしても、湿疹をみたらアトピー性皮膚炎を疑い、治療することが大切だろうと思っています。

以前、ある小学校に講演に出かけた際、カシューナッツでアナフィラキシーを起こしたお子さんの話が出ました。かなりアトピー性皮膚炎の状態が悪い子なんだそうです。

年齢は聞いていませんが、少なくとも7歳以上でしょう。この場合も、カシューナッツを除去して、エピペンを持たせればいいだけではなく、私なら皮膚の治療を行います。

カシューナッツアレルギーを少しでも軽くしたいのと、更なる食品の「経皮感作」を防ぎたいからです。皮膚の状態がよくなれば、負荷試験をした上で、カシューナッツを少量食べさせるかもしれません。

皮膚の状態が悪いまま、少しずつ食べなさいではかえって危険がつきまといます。皮膚をキレイにすることが、全てに優先することをご理解いただけたらと思っています。