小児科 すこやかアレルギークリニック

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他山の石
2017年09月06日 更新

本日は、午後1時からの新潟市での研究会に参加します。

発表もありますので、11時頃に出発しないといけません。ご理解とご協力をお願いします。

3日前、三重で学会があり、参加してきました。その時、専門病院にいた先生が、開業され、開業医としての食物負荷試験について講演されていました。

バリバリの専門病院で仕事をされていた先生が、1人で何もかもやらなければいけない、何かと制約の多い開業医になって、どんなことをされているのだろうと興味がありました。

専門病院の近くに開業されたので、重症は紹介、軽症から中等症は自分のところで診るという感じでした。紹介するところがあって、羨ましいです。私なんて、軽症から重症まで診ないといけませんから。

病院時代は、様々なことにチャレンジできるし、仮に赤字になるようなことをしても負担は病院もちとなりますが、開業するとすべて自分にはね返ってきます。

ところで、乳幼児の診療は定額制の報酬が支払われるシステムを採用している小児科が多いと思います。“検査漬け”、“薬漬け”という言葉があるように、余計な検査をしたり、余計な薬を処方すればするほど医院が儲かるシステムがあり、医療費を抑制するために定額制を採用したのです。

以前も触れたことがあるのですが、アレルギー採血は結構高いのです。確か3、4項目以上調べると、定額の予算を超えてしまうので、だから2、3項目しか調べない小児科ってとても多いですよね?。

当院は明日で開院10年を迎えますが、「どうしたら効率よく利益を上げることができるか」なんてことは一度も考えたことがありません。これは胸を張って言えます。

多くの開業医ときたら、経営者としての側面も持っているため、頭数と多く診る、一人当たりに時間を掛けない、無駄な検査は避ける、なるべく薬を処方する、他院に紹介しないなどなど、分かりやすい利益追求型の診療を繰り返しています。

この“エゴ”が、医療をダメにしていることは明らかです。

症状が改善していないのに同じ薬を処方し続ける、アホなことを繰り返す医者って多いし、病名すら告げず、必要な説明もせずに、しかも「絶対に良くしてやろう」という責任感は微塵も感じられない医者に限って、専門医に紹介しようともしません。

話を戻しますが、専門病院から出た先生はアレルギー採血でさえ、出費を惜しんで多くは調べないようにしているというのです。プロの意地で、皮膚テストはやっているようですが、利益損失を最小限にしようとしているようです。

ちなみに、当院は必要と思われれば、何項目も検査しています。ましてや、自分がこだわっている分野だし、遠路からご指名で当院を目指して受診してくださる患者さんも多いのです。そういう患者さんには誠意で返すのがスジで、陰でなるべく損をしないようになんて考えていると思うと、幻滅しますよね?。

うちは子どももまだ小さいですし、食べさせていけないくらいならば、背に腹は代えられず、私もそういうことをするかもしれませんが、ハッキリ言って開業医は何をしても利益が上がるようなシステムになっています。そんなところでケチるような医師は、あまり信用できません。

時間にしろ、お金にしろ、気にし出したら全力で医療ができなくなってしまいます。私も症状が安定しており、時間を掛ける必要のない患者さんには時間は掛けていません。困り果てた新患の患者さんには、時間がかかろうが、自分の診断や治療方針に時間を掛けていますし、必要な検査もしています。

現実問題として、世の中の医師のほとんどが、生活するのに充分な利益をあげているにもかかわらず、検査や時間をケチっていると思います。

私は他山の石としたいと思っています。