10年前の9月7日ですから、今日ですね。上越の地に「小児科すこやかアレルギークリニック」が産声を上げました。
期待と不安を胸に医師1人でやっていく覚悟をもって開院して、10年になります。お陰様で、もう10年経つんですね。
私は福岡の専門病院で勉強させていただきましたので、福岡の病院の“新潟診療所”を作るつもりで、良心的で、妥協はしないと決めていました。それを100%できていたかと言われれば、どうかは分かりませんが、90%以上はやれているのではないかと思っています。
開業医は病院勤務の時代と違って、何かと制約があります。
例えば、病院勤務時代は2人の医師が診療していれば、1人の患者さんに時間を掛けても、もう1人の医師が診療を続けてくれます。お互い助け合って、その日の外来を終えることができます。
しかし、開業すると医師は一人だけ。時間を掛ければ掛ける程、診療は遅れるし、患者さんの待ち時間も長くなります。
昨日も触れましたが、開業医は経営者でもあるため、損得を考えながら診療を選択していることが多いようです。
いま挙げた、一人当たりの診療時間と検査の問題をとってみても、開業医の多くが1人当たりの次回はできるだけ短く、1円たりとも損はしないようにを心掛けています。
それって当院の開院時の目標の良心的で、妥協しないということとは相反することだったりします。それを自己分析ですが、90%以上はやれてきたとと思えるのは、一応筋を通してきたのかなと思っています。
医師って、患者さんがやること成すことを疑われることはないし、自分に都合のいいように限界を決められます。“誤診”して、間違った治療をしていても、それを改める努力をしなくても、患者さんは「うちの子の病気が治りづらい」と考えてくれます。
自分のお子さんに対して、一生懸命やっているフリをして、裏で効率や利益を考えている医者って嫌じゃないですか?。医療にモラルは大事ですが、モラルの低い医者ってかなり多いし、それを患者さんが許してしまっています。
正直、廃業して欲しいと思う医者って結構ありますが、患者さんには医者の裏の顔が分かりづらいようで、いまだに多くの患者さんが通っているようです。結局、医療が“宗教”の域を出ていないからだと思っています。
当院が良心的に診療を行うことで、他院のいい加減さ、ヤブさを知ってもらいたいと思っても、その点では10年かかってもあまり変わらなかったように思います。
まだ10年。まだまだやりたいことが沢山ありますし、自分のスキルを上げたいと思っています。すこやかアレルギークリニックにとっては、ただの通過点にしか過ぎません。
これからの10年も、開院時と同じ精神で頑張っていこうと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。