当院は、昼休みもまともに取れないことも多いです。
昨日は、たまたま早めに終わったので、カップラーメンを食べる時間があると電気ポットのスイッチを入れたところでした。
スタッフが私にスタッフ部屋に来るように言います。何だろうと思うと、サプライズが仕掛けてありました。ケーキにご覧のような文字があり(画像)、プレゼントも用意してくれていました。
そんな雰囲気もなかったので、10周年も淡々といつも通りと思っていたのです。開院時から10年続けて働いてくれている人も多く、少し照れくさいですが、確かに節目ですものね。
私の場合は、「毎日アレルギー外来ができる」と考えて、開業を決意しました。その狙い通り、毎日が楽しくて仕方ないです。特に食物アレルギーは専門的医療をやっている医療機関はほとんどないので、一生懸命やることで、それが社会貢献につながり、家族を食べさせていくだけの収益を上げることができています。それって最高じゃないですか。
よく考えてみると、スタッフも雇い続けることで、彼女らの生活を支えていることになります。スタッフ自身も、医師1人にできることに限りがあることは分かっており、私の負担を軽減しようと頑張ってくれています。スタッフにも恵まれて、ここまで来たと言うべきでしょう。
10年振り返っても、辛い思いはないですね。患者さんと接し、自分の能力をフルに活かして治すことを目標に診療してきた毎日でした。
10年やってきて、分かったことがあります。
診療というのは、患者さんの病気を最短距離で治そうとだけ考えていればいいので、ある意味で簡単なことだということ。専門外の分からないことは、その道の専門家に紹介すればよく、自分のこだわっている部分で、日頃から学会参加し勉強することで、勝負すればいいのだなと思っています。
昨日も言いましたが、どうやったら儲かる、効率よく患者をさばけるなんて考えたこともないので、自分のやり方で、自分のこだわりを通してきたつもりです。医療って、簡単なものではないはずですが、当院の中ではそんなに困ったことはなかったように思います。
一方、難しいこと。それは他のドクターとの連携です。アレルギーは全国レベルの診療をしており、全国学会で講演を頼まれることもあります。にもかかわらず、食物アレルギーで困っても、当院に紹介状を書かない開業医は何人もいます。
彼らは私をライバルと思っているのでしょう。紹介することで、自分の客が減っては、死活問題になるとでも考えているのでしょう。私の方は、ライバルなんて思っていません。学会にも参加していない彼らとは同じ土俵に上がっているとは思ってもいません。
一度たりとも紹介状を書いたことがない小児科医が複数おり、そういうところから困り果てて何十人、何百人と患者さんが逃げてきています。多分、彼らはこういう事実から目をそむけているのでしょうが、知るべきだろうと思います。
患者さんによりベターな診療を提供するには、自分の力不足なら、専門医に紹介するのが筋ですが、収入が減るとかという話は患者さんには全く関係のないことで、理不尽な対応をする開業医は少なくないと思っています。
北朝鮮への対応で日本は危機的な状況にあり、何とか平和的に願っていますが、解決法が見つかっていません。同様に当院と他院は水と油のようなもので、今後も連携なんて期待できない、とても難しいというのが、10年間での結論です。
まあ、これからも気負うことなく、11周年に向かい、淡々と診療していくだけだと思っています。
