小児科 すこやかアレルギークリニック

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若手
2017年09月12日 更新

先週、新潟市内の研究会で発表してきました。

この場でも書きましたが、当院の場合、アレルギー関係の発表はいつも全国学会で行ってきました。常に全国レベルでありたいと考えていたからです。

今回、県内で発表したのは、アレルギーはこれだけ進歩していますというのを県内のドクターにも知って欲しいと思ったからです。小児科医は、子どもの全般を診ることが求められます。しかし、1人の小児科医が様々な分野をハイレベルに診ることはもはや不可能でしょう。

ということで、食物アレルギーの最新情報について、当院での試みを発表してきたという訳です。

その日のメインイベントは、新潟大学の小児科教授の抗菌薬の適正使用についての講演でした。

多くの医師が「抗生物質」とか「抗生剤」と呼んでいますが、細菌をやっつける薬は「抗菌薬」と呼ばれるようになってきています。

近頃では、一般の方にも広まってきていると思いますが、ウィルスに抗生剤は効かないというのをご存知だと思います。いや、抗生剤ではなく「抗菌薬」でしたね。

子どもが熱を出して医者にかかると、「念のため、抗生剤(抗菌薬)を出しておきますね」とよく言われますよね。風邪の原因はほとんどがウィルスのなので、抗菌薬は意味がないのです。

必要がないケースで抗菌薬を使うことで、これも聞いたことがあると思いますが、「耐性菌」を増やすことになってしまいます。

私が医者になった頃は、新しい抗菌薬が発売されることはよくありましたが、最近ではほとんどありません。発売になった抗菌薬を医者が乱用することで耐性菌を増やしてきた歴史があります。限られた抗菌薬の有効性を保つためには、我々医師が適切な使い方をするしかないというお話でした。

教授は、医学生や研修医を教育する立場でもありますから、風邪には抗菌薬を処方しないという方針を伝えているのだそうです。

一方、当院を受診された際、他院でもらった内服中の薬を知らせるため、お薬手帳を提示されることがあります。風邪でかかって、メイアクトという抗菌薬が処方されていたります。これは適正ではないということです。

私も風邪と診断した場合、抗菌薬は処方していません。溶連菌など細菌感染と診断した場合や、採血して、細菌感染が疑われる場合のみ使うようにしています。

教授は、若手に期待していると話していました。つまり、“ベテラン”の医者は、教育しようがないということでしょうか?。

実はアレルギーに関しても同じだと思っています。医者になって何十年もアトピー性皮膚炎や食物アレルギーをいい加減に対応してきた医者に、キチンとステロイド軟膏を塗るように、食物負荷試験をやるように言っても、できないのは明らかです。

結局、今の医療は、若手に期待するということしかないように感じています。