昨日も水曜日でしたので、講演の予定がありました。
某市に行ってきたのですが、対象は園•学校職員でした。実は、今年2回目。水曜午後は児童クラブをやっている最中なので、2回私がうかがえば、やり繰りすることで指導員も参加できます。
そういえば、児童クラブの指導員も食物アレルギー対応を知る必要があるということで、何年か前から参加をお願いしてきました。これも全国に先駆けて行っていたように思います。
そして今回は、保健師さんも加えてもらうようお願いしていました。以前も触れましたが、6月に卵アレルギー発症予防の提言がなされたことで、保健師が指導することの多い乳児が食物アレルギーの対象になったからです。
提言がなされましたが、メディアの報道の仕方が生後6か月から少しずつ食べさせることだけが強調されており、かえって危険だと感じ、保健師さんにも掘り下げて理解をしていただきたかったのです。
食物アレルギーの誤食時の対応を話す一方で、アトピー性皮膚炎の湿疹部分から「経皮感作」を受け、食物アレルギーを発症してくるので、アトピー性皮膚炎を治療することで、予防方向に働きかけることできるという話をするのは、時間が足りなくなります。
職種を増やして、それぞれに役に立つ話をするのは大変なのですが、仕方ありません。昨日は予定の1時間半をややオーバーしてしまいました(汗)。
保健師の方もアトピー性皮膚炎に関する知識はそれなりにお持ちでしょうが、ただ新潟では多くの小児科医、皮膚科医が“乳児湿疹”と診断しており、ドクターがそう診断しているところを「アトピーがあるでしょう」なんて言えないでしょうから、大変です。
アトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”と誤診し、診断が違うから治療も的外れなものとなっており、一向に湿疹が改善しません。その間に「経皮感作」が進み、食物アレルギーが悪化するということが県内各地、いや全国各地で繰り返されています。
そういう赤ちゃんを持つ親御さんに、適切に対応していかなければならない保健師さんはとても大変でしょう。でも彼女達も市の看板を背負って指導しなければならないので、間違ったことも言えないでしょう。昨日は講演のあと、私の元にきてくださった保健師さんに私の考える対応をアドバイスさせていただきました。
本来は、医師がリーダーシップを発揮すべき部分でしょうが、多くのドクターが“乳児湿疹”と誤診していることすら気づいていないので、とてもナイーブな状況です。
しかし、報道で卵アレルギー発症予防のニュースが流れた以上、一部の親御さんは知っており、できれば予防したいと考えています。医師の協力がない(というか足を引っ張っている)状況でも、正しい指導は行っていただきたいと思っています。
保健師って仕事も、かなり大変なんだと思っています。