日本の保険診療制度は、どの医師が診ても同額になっています。
それって、すべての医師が日進月歩の医学を日々真面目に勉強していて、医師の誰もがハイレベルな診療をできることが前提となっています。
今年の6月に卵アレルギー発症予防の提言が日本小児アレルギー学会から発表されました。外来で親御さんに聞いてみると、ご存知ない方もいらっしゃいますが、知っている方も少なくありません。
当院は、食物アレルギー診療にこだわってきたため、それを予防できるとなると、当院でもやらない訳にはいかないと考え、既に取り組んでいます。
いつも書いていることですが、卵を生後6か月から少量ずつ食べさせるだけではダメで、まず皮膚から卵が入り、卵アレルギーにつながるので、アトピー性皮膚炎の湿疹を治療しなければなりません。
赤ちゃんの湿疹を診るのは、小児科医と皮膚科医がほとんどでしょうから、これらの医師がアトピー性皮膚炎をキチンと診断でき、適切に治療できなければいけないはずです。
ところが、多くの小児科医、皮膚科医が“乳児湿疹”といい、効かないようなステロイド軟膏を繰り返し処方しているのが現実です。アトピー性皮膚炎とも診断できず、治療すらできないのです。そうすることで、高額の利益をあげています。
切り札的存在のアレルギー専門医でも、アトピー性皮膚炎の診断すらできない医師もいますし、先週お話ししたように、母に卵の除去を指示する専門医もいます。
私の感覚では、小児科医、皮膚科医の99%以上が卵アレルギー発症予防に力を入れているとは思えず、頼みの綱は1%未満なのではないでしょうか?。
こんな現状では、患者さんが大迷惑でしょう。多くの患者さんは、当然ながら医療に素人なため、お金を払って「うちの子を良くしてください」と医療機関を受診するのですが、99%以上が当てにならないのでは、とんでもない状況と言えます。
開業して10年。医療の裏側の嫌な部分を沢山みてきました。努力せず、責任を負わず、結局カネ、カネ。医療において、腐敗している部分は多いように思います。
こんな中、病気になればそれでも医師にすがらなくてはなりません。患者さんは、生き抜く術を身につけないといけないのではないでしょうか?。
私は数少ない真っ当な医師を見つけることだと思っています。私自身、その真っ当な中にいたいと願っていますし、カネに固執せず、努力し、責任を負い続けたいと思っています。