小児科 すこやかアレルギークリニック

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解明されてきたものの
2017年09月21日 更新

当院は、食物アレルギーに力を入れてきました。

そして、その食物アレルギーが予防できるかもしれない時代がやってきました。例の卵アレルギー発症予防の提言ですね。

この場で強調していることですが、決して生後6か月から卵を少しずつ食べさせればいい訳ではなく、大抵アトピー性皮膚炎があるため、アトピー性皮膚炎の湿疹をキチンと治療し、それ以上皮膚から卵が入らないようにする必要があります。

アトピー性皮膚炎があるとぜんそくを合併しやすいこともあり、ぜんそくも予防できる期待はあります。このように病態が解明されてきたということは、予防が可能になってきたことを表しており、患者さんにとってはとてもいいことです。

しかし、開業して10年。県内の医療事情を知る者からすると、予防がかえって難しくなっているように思います。

食物アレルギーというと、小児科医が対応することが多いと思います。ただ、その小児科医のほとんどが食物負荷試験をやっていないし、“隠蔽”したり、「家で少しずつ食べさせなさい」と自分の手は汚さずに、患者さんをそそのかして、危険な目にあわせようとしています。

医者って、こうも自分本位で、自分の利益だけを考えることができるんだと、思い知らされます。

ちょっと前まではアトピー性皮膚炎は食物アレルギーに合併しやすい病気と捉えられていたのに、今ではアトピー性皮膚炎が食物アレルギーを引き起こすというようになってきています。

子どもに湿疹があったら、多くは皮膚科を訪れます。小児科に行く人もいるでしょうが、アトピー性皮膚炎の診療をキチンとできる小児科医はほとんどいないし、面倒くさいと思っているのでしょう。「皮膚科に行きなさい」という小児科医も少なくないようです。

その皮膚科医。これまでの私の経験では、アトピー性皮膚炎とキチンと診断されているケースはほとんどなく、下手くそな治療が繰り返されていることがほとんどです。改善がなくても、同じ薬が延々と処方されていて、患者さんを食いものにしているかのようです。

皮膚科医のほとんどは、食物アレルギーに関心もなく、予防しようという発想もない。専門医に紹介して、もっと良くしてあげたいという良心もないようです。

この10年間、食物アレルギーの正しい知識をと願い、日本の第一人者を招いて「すこやか健康フェア」を開催してきました。食物負荷試験という方法があり、多くの小児科医に負荷試験の存在を知ってもらい、あわよくば負荷試験をやる医師に増えてもらいたいと考えていました。

ところが、食物アレルギーを攻略するには、アトピー性皮膚炎をいかに上手に治療するかということが判明してきて、皮膚科医がかかわることになりました。これは全国的な傾向だと思いますが、どの皮膚科医も効率重視で、アトピー性皮膚炎に私の満足するレベルで対応できる皮膚科医はほとんどいません。数字でいえば、95%以上でしょうか。

ということで、せっかく食物アレルギーが解明されてきた者の、現場での対応がより遠ざかったというのが、私のホンネです。

患者さんが自分の身を守るためには、分かった医師を選ばなければいけない。結局そういうことだと思っています。