小児科 すこやかアレルギークリニック

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「めっちゃ話題」
2017年09月27日 更新

ここ数日書いているように、食物アレルギー対応はアトピー性皮膚炎の治療がカギとなっています。

経皮感作するので、湿疹から食べ物が入り込むのをブロックしようとするのと、皮膚をキレイにしつづけることで、卵やミルクの数値が低下することが期待できます。

だいぶ前は、アレルギー専門医と言えば、ぜんそくの治療が上手ければそれで十分だったのですが、食物負荷試験もできなければならないということになり、最近ではアトピー性皮膚炎の湿疹を上手に治療できることが求められるようになりました。

アレルギー専門医と言えども、アトピー性皮膚炎の治療が上手でない医師は大勢います。日本の第一人者であってもです。

アトピー性皮膚炎の治療は、結局はステロイド軟膏の効果をいかに十分引き出せるかということにかかっています。ステロイド軟膏の副作用を心配して、多くの医師がすぐに減量してはリバウンドするの繰り返しの状況から脱却できないでいます。

最近では、プロアクティブ療法という方法が推奨されており、初期はステロイド軟膏を十分過ぎるほど使い、皮膚をツルツルにして、ゆっくり減らしていき、皮膚を高値安定させたいという作戦です。

割りと落ち着きやすい患者さんもいますし、そうではない患者さんもいます。アトピー性皮膚炎の病勢を表す検査項目に「TARC」というものがあります。

皮膚の状態が悪くないにもかかわらず、「TARC」が高い人もいて、私の中では皮膚の状態がよいのと、「TARC」が低下しているという2つをクリアすることを目標にしています。

先日、「TARC」の低下が思わしくなかった患者さんに再検査のお話をした時のことです。お母さんから「知り合いのお子さんはTARCが700くらいに下がっていたのに、うちの子はどうして下がりが悪いのでしょう」と言われました。

700というのは、結構低い値です。軟膏の塗り方の指導はしているつもりですが、この患者さんの場合は、結局のところ、塗り方が上手くいっていないから下がりが悪いのだろうと思っています。

それにしても隣町のお母さん方の間で、「TARC」が話題になっているとは微塵にも思いませんでした。そう言うと、お母さんから「いやいや、めっちゃ話題になっています」と言われました。

「TARC」を検査している医師はまだまだ少数派で、弱いステロイド軟膏が繰り返し処方され続けているのが一般的な対応でしょう。

「TARC」はそれなりにアトピー性皮膚炎の状態を把握するには、大切なツールだと考えています。もう少し広げていきたいと思っています。