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ヘルスケア大学
2017年09月30日 更新

今日のヤフーニュースにヘルスケア大学、医療記事の大量削除に関するニュースが取り上げられていました。

「ヘルスケア大学」という健康・医療情報を提供するホームページがあり、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。このサイトに取り上げられていた記事600件以上が削除になっているそうです。発端はユーザーからの信頼性に対する批判だった様子。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170929-00010005-bfj-soci

私も見掛けたことがある程度で、利用したことはありませんでした。気になって、食物アレルギーの分野を見てみると…。

いくつか記事があり、上の方に監修に関わった医師の名前が出てきます。小児科医がしているものもありますが、記事によっては、精神科医がやっていたりします。

何でこんな馬鹿げたことがまかり通っているのでしょう?。精神科医は精神科の分野が専門であって、日進月歩の食物アレルギーのことは、多分当院にかかっている患者の親御さんの方が分かっているはず。

これでは、敢えて言えば、読者を冒涜していると感じました。内容も最新情報がある訳でもなく、古いものばかり。患者さんの知りたいのは、6月に公表された卵アレルギー発症予防に関する話とか、最新情報だと思います。

それからすると、監修している医師の一覧というのが出ていましたが、日本の第一人者ではないような開業医が多いようです。食物アレルギーの最新事情に精通している医師でもないようです。

いまだに、「病気のことはお医者さんに任せておけば間違いない」という“迷信”をもとに作成されているのだと感じました。現在の医学は、細分化しており、その道の専門家しか最先端の医療を提供できず、他の医師は「オレはこの方法でこれまでやってきたんだ」的な医療を提供しているだけでしょう。

食物アレルギーは「食物負荷試験」を行わなければ、正しい診療ができないとされますが、負荷試験もやっていないような小児科医の書いた記事を信用できますか?。巷の小児科医のほとんどが負荷試験をやっておらず、アレルギー専門医でも「負荷試験どころじゃない」なんて言っている始末です。

卵アレルギー発症予防の報道がなされましたが、アレルギー専門医でもアトピー性皮膚炎の診断ができなかったりしますし、生後6か月から卵を少量食べさせると言われているのに、食べさせていないのが現状です。

多分、最新情報に基づいた医療を提供しているのは、アレルギー専門医のうちの更にひと握りのドクターのみでしょう。

それからすると、今回のような医療情報サイトを運営するのはとても難しいことが分かります。テキトーにやっておけば、読者も納得するだろうと“やっつけ仕事”的にやっているのかなと思ってしまいます。

何を信じるかは、あなた次第と言えるのではないでしょうか?。