小児科 すこやかアレルギークリニック

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2017年10月04日 更新

先日、小麦でアナフィラキシーを起こしたことのあるお子さんに負荷試験をやりました。

何を?。もちろん、うどんでです。

アナフィラキシーを起こしたから除去というのは、私の中では昔の話です。確かにアナフィラキシーを起こしただけの量を食べさせれば、またアナフィラキシーを起こしてしまうのでしょうが、症状を起こさない量を食べさせるというやり方です。

転勤の多い方で、九州地方、東北地方をきて、新潟に来られました。各地でアレルギー専門医に診てもらっていたそうですが、負荷試験もせず。

除去のまま、当院に辿り着きました。まずは負荷試験を行い、これくらいは食べられるという量を把握する必要があります。

以前のガイドラインではアナフィラキシーを起こしたら1年は負荷試験はしないように言われていましたが、私は守っていませんでした。だって少量なら食べても何ともないんですから。

時々、非専門医が「家で少しずつ食べさせなさい」という分かったような分からないようなことを患者さんに指導していますが、「あんたが一番分かっていない」と言いたいくらいです。

確か結構少量で症状が出てしまいました。とにかく少量からということで、そうめんを数ミリから食べさせる方法をとりました。なるべく連日、食べていただいていました。

小麦は食べていくと治っていくので、外来通院の中で負荷試験を勧めていたのですが、1年ぶりで負荷試験を行うことができました。

35gくらい食べたところで、明らかな症状が出た訳ではないのですが、今回は終了としました。無理して強行すれば、アナフィラキシーを起こしてしまうかもしれませんので、最近は「もう十分」というところで止めるようにしています。

これには親御さんももうビックリ。あれだけ少量しか食べられなかった我が娘が35gも食べられたのです。しかも余力を持っての終了です。

数ヶ月して200gのうどんで負荷試験をし直そうかと思っています。次回はいけるんじゃないかと思っています。

小麦は、タイトル通り、力技で食べさせていると治ることがほとんどです。当院で小麦を除去している患者さんはいたかな?というくらい、食べられるようになります。

これも患者さんのことを第一に考え、一生懸命にやってきて、私の中に構築された経験の成せる業とも言え、それがまた証明できてよかったと思っています。