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コウノドリ
2017年10月16日 更新

今季は、医療系のドラマが多いですね。

少し前に触れた「ドクターX」と産科を描いた「コウノドリ」です。昨日、タイムシフトに録画したものを観てみました。前回のシリーズは観ていなかったので、初コウノドリです。

ドラマの常ですが、初回から緊急帝王切開とか、患者さんが急変するケースが多発します。普通分娩なんだけれど、心室中隔欠損といって心臓の壁に穴の開いた赤ちゃんが産まれてきたり…。

医者をやっていると、平穏無事な日も多いんですけどね(汗)。まあ、大きな病院で、重症を多く抱えているところでは、そうなのかもしれませんが…。

患者さんのために一生懸命働く医師の姿は、それだけで見ている者に感動を与えます。私の専攻している小児科と産科は少子化に伴い、若い医師に敬遠されやすい科ではあるのですが。

ドラマの中でも、設備のない離島で緊急帝王切開になるのですが、最初は踏み切ろうとはしませんでした。それでも、ドクターヘリで本土の病院に受け入れを待っていては、赤ちゃんの命が危ないという判断で、帝王切開に踏み切ります。

どうなんでしょう。今の医療は、医師が訴訟を恐れて、手堅いことしかやりたがらない傾向があります。下手をしたら、自分の医師生命を脅かされると考えてしまうのです。

私は小児科なので、他の科のことはよく分かりませんが、時々ニュースなどで、患者が病院を訴えるなんてことを言っていますよね?。多くの患者さんが「お医者さんが間違いをおかすはずはない」と思っていますが、結果が伴わなければ訴訟の対象になりかねない時代になってきています。

訴訟にならないためにも、医師は医療に関する法律ともいえるガイドラインを遵守しないといけないのです。きっと「コウノドリ」に出てくるような医師はちゃんと勉強し、日頃から努力していて、ガイドラインも守っているのでしょうね。

ところが、私が最も関心を持っている食物アレルギーは、小児科医が関わっています。それが「経皮感作」によって起こることが分かってきましたが、更に皮膚科医も関わってきます。

ところが、ガイドラインなんて守っているドクターはまばらで、食物アレルギーの正しい診断のために必要な「食物負荷試験」を無視し、更にはアトピー性皮膚炎の診断もできず、治療もできない医者が多いのが現状です。全くドラマに向いていません(汗)。

田舎の開業医を中心に、“自分が法律”みたいな医者が多く、ガイドラインを度外視した医者が多いのが現状で、いつも言っているように、専門医に紹介すらしないのです。自分の利益しか考えてないかのようです。

医療は時に感動を呼びます。全く対極にある“やりたい放題の医療”は何とかならないのでしょうか?。こういうドラマを観るたびに、そう思います。

「ドクターX」では、大学病院でも研究や論文を優先し、自分の手柄を上げようとする輩が描かれていますが、田舎の開業医は研究や論文などはせずに、いい加減な“医療”を繰り返し、患者さんを食いものにしているかのようです。

そういう現実を視聴者に知ってもらうような場面を描いたドラマってできないかしらと思ってしまうのは、私だけでしょうか?。