小児科 すこやかアレルギークリニック

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牛乳
2017年10月20日 更新

昨日、5歳の患者さんに牛乳の負荷試験を行いました。

卵や小麦は食べさせていると、食べられるようになる。そういう印象を思っていますが、牛乳はなかなか進まないこともあり、難しいと思い始めています。

それでも、軽症なら治ってしまうこともあります。やはり負荷試験をやるしかないのです。

今回の患者さんは、小さい頃に症状が出たため、ずっと除去してきました。アレルギー検査も陽性であり、負荷試験をやらなければ何も分からないという状況でした。

ずっと完全除去を続けていた患者さんに負荷試験をやる時は、こちらもとても緊張します。何か起きれば、それは全て私の責任です。言い訳もできません。

食物アレルギーの対応として、完全除去を指示する医者はいまだに多いですが、食べることで“仲直り”できる可能性があるのに、完璧な除去を続けていては、より重症化している可能性もあるのです。

かと言って、除去していても治ることもありますので、そこが難しいところです。ただ、医師側が怖がって食べさせようとしなければ、何も進みません。

実際に多いのですが、ひどい医者になると「少しずつ自宅で食べさせなさい」と言います。これで事故を起こした話もチラホラ聞きます。

多くの小児科医が責任を持って負荷試験を行うか、専門医に紹介してくれればいいのですが、そんな“素晴らしい”医師は探す方が大変くらいではないでしょうか?。それだけ「自分ファースト」で、患者さんのためを思って医療をする小児科医は、少ないように感じています。

注意深く進める必要がある牛乳の負荷試験ですが、例えば0.1mlでも症状を起こす患者さんに初回5ml与えたらアナフィラキシーを起こすかもしれません。アレルギー専門病院で、手順が決まった病院でも、危険が伴います。患者さんの状況に合わせた対応が求められると思っています。

仮に最初に与えた量で何も起きず、2回目以上増量して負荷試験を進めていった場合、やはり途中で“一線”を超えてしまえば、アナフィラキシーを起こしてしまいます。

昨日は、トータルで110ml飲めた患者さんに最後は90ml飲ませました。目標の合計200mlになるからです。自分の中で行けそうだと思ったからでしたが、やはりアナフィラキシーを起こさないか心配になりながら負荷試験をしていました。

結局何も起こらず、親御さんは200ml飲めたことに感動して帰っていかれました。何度やっても、緊張から解放されませんね、負荷試験ってヤツは…。

私がやらなければ、新潟県の多くの患者さんが困り果てることでしょう。それなりに背負っているものは大きいようです。

これからも技術を磨いていかなければならないようです。