「コウノドリ」というドラマ、いいですね!。
妊娠、出産で悩む夫婦、そこに医師がどのように介入してめでたくゴールを迎えるか、という話が繰り広げられています。
昨日は、ある妊婦さんに子宮頸がんが見つかり、赤ちゃんを諦めるか、どうかという判断を迫るという難しい話しでした。がんの治療をなるべく遅らせて、赤ちゃんを成長させるという選択肢を選ぶのですが、治療が遅れればがんが進行してしまいます。産むタイミングが妊娠28週と32週という点で医師達の意見が異なり、衝突するという内容でした。
若い新生児科医が、産科は生まれたところがゴールかもしれないが、我々はそこがスタートで、28週で生まれた赤ちゃんは32週で生まれた子よりも一層ちゃんと成長させることが難しいと新生児科側のホンネをぶつけるところもリアルでした。
このドラマは、好評につき第二弾となりますが、私は初回のシリーズは観ていませんでした。やっていることは知っていましたが、何で観ていなかったんだろう?。ネットで中古のDVDボックスを探しています(笑)。
産科の先生は、母親と赤ちゃんの両方を助けなければいけなく、いろんなケースで様々な選択を迫られるんだと感じさせられました。その点、私のような小児科医は、お子さんを速やかに改善させることだけを考えればいいので、楽と言えば楽なんだと思い知らされました。
出産は100%安全ではなく、母体もそれなりの起こり得る危険を乗り越えてお子さんを授かります。ですから、当院にかかっているお母さん方にはそれぞれのドラマがあったんだと思ってしまいました。
今は秋で、ぜんそく発作を起こしやすい状況になっています。私はぜんそく発作で入院はさせないようにしているつもりだし、息苦しくさせたくないと思い、治療を行っています。
何度言っても、ゼーゼー言ってから受診する親御さんもいます。また、アトピー性皮膚炎で皮膚が引っかき傷だらけなのに、治療を勧めて同意が得られないこともあります。私の指導不足もあるのかもしれませんが、モヤモヤすることもしばしばあります。
「コウノドリ」というドラマを観て、お母さん各々がご苦労されて得た赤ちゃんを、すこやかに成長させるお手伝いをしたいと思っている次第です。