小児科 すこやかアレルギークリニック

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ようやく一つ
2017年11月10日 更新

昨日、12日からの1週間で講演や学会発表が3つあると言いました。

まず12日の講演ですが、話は1時間半ほどいただいていますので、スライドは100枚ほど用意しました。

本来、人前で話すことは苦手ですが、講演は200回くらいはしているでしょうか?。いまだに得意ではないですが、慣れてはきました(笑)。

一応、分かりやすいというご意見をいただくことが多いようですが、それは実際に経験した患者さんの話をするからだと思っています。

今朝方、スライドが完成しましたが、ところどころ自分の経験した患者さんの話がちりばめられています。

話の構成はこんな感じにしました。まず食物アレルギーの一般的な話をして、新潟県ではほとんど行われていない「食物負荷試験」の重要性も理解していただきます。

食物アレルギーの重症例を2名提示し、その年齢をお示しします。1人は10歳なのですが、早いと0歳から卵やミルクでアレルギーを起こす子が結構います。しかも、重症なアトピー性皮膚炎にあれやこれや感作されてしまい、さまざまな食品を除去されて、困り果てて当院を受診されるお子さんもいます。

重症なアトピー性皮膚炎に重症な食物アレルギーが合併しやすいのです。今では、「経皮感作」が明らかになっていますから、それは分かるのですが、少し前までは食べ物を除去しても湿疹は良くならず、大変だったのです。

イギリスのラック先生が「経皮感作」を提唱し、それ以来、一気に研究が進みました。それ以来、アトピー性皮膚炎をどう攻略するかが、大切なことが分かりました。

しかも、低年齢から食べさせると、食物アレルギーを予防できることが分かってきました。6月に発表された卵アレルギー発症予防の提言の元になった成育医療研究センターの研究は、まさにアトピー性皮膚炎をしっかりと治療した上で、生後6か月から卵を少量から食べさせるというものでした。

そして1歳の時点で評価すると、卵を食べていた方が、卵アレルギーの発症を8割も減らすことができたというものでした。

そのデータが公表されて約1年が経ちますが、それを踏まえて当院は当院で、開業医であってもいかに食物アレルギーを予防できるのかということについて向き合ってきました。当院のデータを提示させていただき、講演を終わろうと思っています。

そんなストーリーを考えています。一応準備が終わったので、15日の講演の準備を今日からできることになります。

ひとつひとつをコツコツとこなしていこうと思っています。