以前も触れたと思いますが、医療って、ある意味では難しくないと思っています。
日進月歩とされる医療は、私の専門のアレルギーの状況をみれば、一目瞭然かと思います。
「皮膚から食べ物が入り食物アレルギーになる」、「食べて治す」というのは、10年程前は誰も分からなかったことで、いまだに分かっていない医師は多いのが現状です。
医師が「食べさせるな」や「いや少しずつ食べさせろ」と真逆のことを言ったりするのは、それだけ医学が進歩していることを意味しています。要は、勉強している医師と新しいことに関心のない医師との間には大きな差ができて当然の訳です。
そのアレルギーに興味を持ち、もっと知りたいと思って年間何度も学会に参加して、それなりに知識を学んでいるつもりです。アレルギーに関しては、場合によってはその辺の専門病院以上のことをやれているのかなと思っています。
分野を絞れば、田舎の開業医であっても、それなりのことができるということを実践したいと考えています。それ自体は困難なことではないと思っています。
冒頭に「難しくない」と書いたのは、それだけではなく、患者さんの症状を改善させることだけを考えて、取り組むだけでかなりのことができるという意味です。それを行うには、自分のできる範囲で全力を尽くし、できないことはその道の専門家に託せばいいと思っています。
先日、幼児の爪の異常について、親御さんから相談されました。もう1年半も爪に異常があり、皮膚科にかかっているのだそうです。将来的に悪性化する可能性も示唆されていたようです。
通常、その道の専門家にかかっていれば、小児科医ができることはほとんどありません。それを知った上で、親御さんは藁をもつかむ思いで、私に相談してくれたのだろうと思っています。
正直、爪については私には分からなかったです。でも、皮膚科医が自信なさそうにしているのが、患者側に見て取れたため、不安で仕方なかったのだそうです。
普通であれば、「皮膚科に診てもらっているのだから、様子をみるしかない」ですよね?。私はそうはしませんでした。アトピー性皮膚炎の診断もできないような皮膚科医も多く、あまり信用できていなかったからです。やはり、医療には良心的な姿勢が不可欠です。
どうしたか?。先月「すこやか健康フェア」で上越にお招きした馬場先生に画像を添えて、メールにて相談させていただこうと考えたのです。
日本の第一人者の先生に相談するのは、ご多忙でもあり、はばかられたのですが、私の診ている患者さんです。ベストのことをしてあげたかった。それで恐る恐る、メールを送ってしまったのです(汗)。
その日の夜、先生から回答をいただきました。良性のもので、案ずることはないそうです。私もうれしくて、翌日にはその旨を親御さんに伝えさせていただきました。
自分で言うのも何ですが、私はこんな人です(笑)。