明日18日は日本小児アレルギー学会のため、ご迷惑をお掛けしますが、休診とさせていただきます。
私が最もこだわっている学会で、福岡の専門病院で研修して以来、16年連続で発表しています。16年連続って、ほとんどいないんじゃないかな。
当院がこだわっているのは、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーですが、ほとんどが食物アレルギーについての発表です。すごい徹底ぶり(笑)。これも「うちらしい」のかもしれません。
もう一つ、「うちらしい」ことがありました。昨日の負荷試験のことです。患者さんの住所をみてみると、新潟市、燕市、南魚沼市、小千谷市、柏崎市といずれも当院のある上越市外から負荷試験を受けにこられた患者さんでした。
県内は食物アレルギーに取り組んでいる小児科医が極めて少ないため、患者さんが場合によっては100キロ以上の距離を遥々と受診されている現実を、多くの小児科医は知らないと思います。
地元の患者さんは、地元の医師が守るべきと考えています。残念ながら、受診される患者さんは、地元の医者に守ってもらえずに当院を受診されています。
小児科医療も細分化されてきており、食物アレルギーは注目もされていますし、かなりの技術と経験を要する分野となっています。自分が専門外であれば、専門医に紹介するのが当たり前のことにもかかわらず、いずれの患者さんも紹介すらなく、自力で当院を受診されています。
食物アレルギーは、最近は除去の是非が問われています。多くの医師が「除去しろ」と言いますし、親御さんもそれを当然と考えています。長く除去することで、仲良くなるチャンスを逸してしまうという側面もあるのだろうと考えています。ですから、少量ずつ食べさせていく治療が注目されています。
にもかかわらず、かかりつけ医からは除去するように言われていました。何か少しでも食べさせたいと願い、親御さん自身が食べさせてくれる医療機関を探し出して、当院を受診されているようです。
昨日は、乳の負荷試験の2人が軽い症状を起こしてしまいました。あとは卵だったのですが、3人とも加工品を用いましたが、クリアしています。
1人は卵白の値が高く、主治医から「負荷試験どころではない」と言われていたようですが、立派にカステラを食べられましたし、別の1人は、この春に卵でアナフィラキシーショックを起こし、救急搬送された赤ちゃんですが、それでも卵クッキー3枚を完食しています。
専門医でさえも負荷に二の足を踏むケースでも、とにかく何かしら食べさせたいと願い、そう実行してきました。これも「うちらしい」のかなと思っています。