もうご存知の方も多いでしょうが、横浜の専門病院で食物アレルギーの治療中に重篤な後遺症を残した事例がありました。
やはり牛乳かと思ったのですが、もう5年になりますが、調布市の死亡事故も牛乳が原因でした。確かに当院でも、微量で症状が出て、なかなか進まないのが牛乳です。
今回の神奈川の事例を受け、小児アレルギー学会が同様なケースがないのか、調査を開始しました。
その調査結果は、学会の2日目のシンポジウムで公開されました。この様子はメディアの取材もあり、その晩のNHKのニュースでも報道されました。
以下に、ネットニュースの記事を記します。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171119-00000038-asahi-soci
食物アレルギーは、食べなければ症状は出ませんから、口にして、重篤な症状をきたした患者さんを集計しています。親御さんや本人が誤って食べさせてしまい、自分で呼吸できないほどの危機的な状態に陥った患者さんもいますが、治療や検査の一環でそうなったお子さんもいました。
治療や検査の一環で起きたのが、トータル18名のうちの約半数に当たる8名いたという結果でした。
日本は、世界中で負荷試験をやっている医療機関がダントツに多いと聞いています。限界を超えて食べさせるのを「経口免疫療法」と言いますが、これを実施している施設数も世界で一番と言います。
しかし、研究段階なため、食べ進め方は施設によって異なります。いろんな医師がいろんな方法を模索している訳ですが、患者さんのコンディションにも依るのでしょうが、結果的に攻め過ぎた対応であれば、そういう事態に陥りやすくなると思います。
先程の8名を多いと考えるか、少ないと考えるかですが、私は多いのではと思っています。そのうち、3名は神奈川の病院を含めて後遺症を残したといいます。
私は、学会によく参加して新しい情報を入手しようと努力しているつもりですが、こういう副作用的な話はほとんど聞いたことがありませんでした。敢えて言えば、医療界の隠蔽体質を表しているのでしょうか?。
神奈川の病院が公開に踏み切ったと聞いており、そのお陰で、18名のとても重篤な事例が発生していることが明らかになったのだろうと思っています。
確かに免疫療法のネガティブな意見が広まると、研究が進まない恐れがありますが、多分、有名な専門病院に多くみられているはずだと思いますので、学会側のオープンな体制を望みたいと思っています。