小児科 すこやかアレルギークリニック

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医者の言うことが
2017年11月29日 更新

先日の大学の同級会は、小児科医になった人もいましたが、内科や外科、脳外科、眼科、麻酔科など様々な科を専攻していました。

自分の専門に特化し過ぎて、敢えて言えば“専門バカ”になっているのかもしれません。お互いが自分の専門分野の話をしたら、お互いがチンプンカンプンって感じなのかもしれません。

とは言え、普段診療していて感じるのは、医者の言うことがこうも違ってくるのは、食物アレルギーのほかにないんじゃないかということです。

先日、当院を初診されたお子さんは、前医から卵の除去のほか、母親自体も卵を食べないように説明されていました。

今日も午後に講演の予定が入っており、食物アレルギーの時代の変化について触れようと思っています。つまり、以前は除去しか手段がありませんでしたが、最近は少しずつ食べて治る方向へ持っていくということになっています。「完全除去」はかえって、食物アレルギーを悪化させる可能性も言われているほどです。

卵を食べて症状が出るなら、いまだに「卵は除去するように」という小児科医が多いことでしょう。ただ、母からの母乳経由の卵を排除するために、母に卵を食べさせないというのは意味があることでしょうか?。

以前は、微量の卵がアトピー性皮膚炎の湿疹を悪化させると言われてきました。現在はステロイド軟膏を十分量塗布し、治療してしまうので、母に過大な除去を行わせないようになってきていると認識しています。

そもそも湿疹を治療しても、改善が思わしくなければ、母乳経由の卵の関与を考えるのであって、いい加減な治療がなされていたのみです。

いまだに多くの医者が当たり前のように「食べるな」と言っていますが、私は「食べて慣れさせて、治していきましょう」と言っています。

食物アレルギーというかなり頻度の高い、ありふれた病気について、こうも医師の言うことが異なるようなことはないのではないでしょうか?。しかも、混乱させているのは信念も何も持たずに、日々テキトーにしている小児科医というオマケつきです。

「日本の医療、これでいいのか?」って思っています。