今季のドラマは医療系が多いです。
「ドクターX」と「コウノドリ」と2つを観ていますが、いずれも最終回が近くなっています。
「コウノドリ」はつい先日、録画していた先週分を観ました。若手の新生児科医が、ある程度自分で何でもできるようになっており、自信を持って診療に当たっていました。
ところが、ある時、自分の診断を過信してしまい、上司の医師に相談することもなく、突っ走ってしまいます。結局、誤診で、肺ではなく心臓の病気が見つかり、専門病院に紹介せざるを得なくなったというストーリーでした。
そういった痛い思いをしながら、患者さんから成長させてもらいつつ、一人前の医師になっていくというのは、どの医師も共通した点だと思っています。
その新生児科医は、見逃してしまった心臓の病気に今後対処すべく、いま勤めている病院を辞めて、循環器の専門病院へ勉強に行きたいと言い出します。上司は、病院の立派な戦力であり、辞めてもらうと人手不足になるのは明らかなのですが、了承します。彼の人生は、自分で決めてもらうべきなんてことも言います。
これはドラマの中の話なのですが、若いっていいなと思います。向上心があり、行動力があり、より良く生きようとするのは、ドラマだけの話ではないですよね。
年をとると、向上心もなくなり、行動力もなくなり、“現状維持”を望むようになり、努力をついしなくなるようです。
患者さんは、お医者さんは日々勉強していると思っているだけで、私が開業したこの10年間、ほとんど進歩、進化していない医者って大勢います。唖然とするほかありません。アレルギーは、とにかく酷い現状があります。
心臓の病気だと命に関わることがあり、神経や内分泌などは専門医に紹介したがりますが、アレルギーという学問をナメきっている小児科医が多いようです。ここ最近の進歩についていけない小児科医は、全体の95%以上にのぼると思われます。
高齢の医師はもはや期待できないのですが、若手からも紹介がほとんどなく、患者さんがテキトーに扱われている現状をくやしく思っています。若手にすら期待できないのです。これは私の地元に限らず、全国的な傾向と言えるでしょう。
私には、食物アレルギーが予防できたり、なるべく早く食べさせることで、治す方向に働きかけたりできることが面白くして仕方ないのですが、多くの小児科医にとっては、関心すらないようです。
アレルギーという学問は、もはやごくごく一部の専門医のみしか対応できない分野であることを知っておいていただきたいと思っています。