小児科というと、かかれるのは15歳までと思っている方が多いことでしょう。
確かにそれ以上の年齢は診ませんという小児科医もいるでしょうし、逆に高校生くらいになると、乳幼児と一緒にかかりたくないと内科を選択する人もいるかもしれません。
当院は、高校生、大学生、専門学校生も診ています。多くが子どもの頃から診ていて、成長してそうなっているお子さんが多いのですが、アレルギーで困っている高校生、大学生が来ても断るようなことはしません。
大人は基本的に診ていませんが、アトピー性皮膚炎のお子さんの通院と一緒にアトピー性皮膚炎のお母さんを特例として診ていることもあります。本来、大人のアトピー性皮膚炎は皮膚科という受け皿があるのですが、アトピー性皮膚炎に真面目に取り組んでいる皮膚科って滅多にありません。
「いや診ています」と反論する皮膚科医もいるかもしれませんが、症状を抑えるだけの、私の眼鏡にかかった治療をする皮膚科医は、県内にいるんでしょうか?。
ヘタな皮膚科医が診るくらいなら、私の方がマシと思えるケースで、お子さんと一緒なら当院で診るようにしています。大人だけというのは診ていません。多分、受け入れ始めると、大人のアトピーの患者さんが増え、子どものアレルギーの診療でただでさえ大変なのに、今の状態に破綻をきたす恐れがあるからです。
ただし、大人の食物アレルギーは県内で診るべき医者がいないので、引き受けています。私よりも年上の患者さんが受診することもあるくらいです。
アレルギーは慢性疾患なので、そう簡単には治りません。高校生になろうが治療が必要なケースは多いし、最後まで責任を持って診たいと思っているので、高校を卒業し、地元を離れるくらいまで診ていることが多いようです。まあ、受診が面倒になって来なくなる患者さんもいますが…。
タイトルの16歳の患者さんに、先日ソバの負荷試験をやりました。16年間ソバを口にすることもなく、怖くて食べさせられないそうで、「だったら医院で食べさせてみますか」と私から提案したものです。
これくらいの年齢だと、「家で食べさせなさい」という医者が多いだろうし、仮に負荷試験を提案しても受け入れないお子さんが多いのだろうと思います。わりと珍しいパターンですが、16歳の高校生の負荷試験が実現したのです。
この患者さんはアナフィラキシーの既往がある訳ではないのですが、初めて食べるとなると、私の方も責任重大です。ずっと除去していたので、何の問題もなく食べられるのかもしれないし、微量でアナフィラキシーを起こしてしまうのかもしれません。
持参してもらった100gはゆっくり増量し、完食してくれました。パチパチ!。
私の肩の荷がおりました。