小児科 すこやかアレルギークリニック

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早期に叩けば
2017年12月26日 更新

昨日は、アトピー性皮膚炎の問題点について書きました。

湿疹があれば、皮膚科や小児科に行くのでしょうが、皆が口をそろえて“乳児湿疹”と言っています。彼ら、彼女らの頭の中にアトピー性皮膚炎という鑑別すべき病気は存在しないのでしょうか?。

残念ながら、ワンパターンでしか捉えられない医者はかなり多いようです。皮膚症状が改善してないのに、「赤ちゃんはそういうもの」とか、「時間がかかるからね」なんてどの口がそう言うって皮膚科医、小児科医は多いです。

そういう口車に乗ってはいけないという話をしたいと思います。

最近は、アトピー性皮膚炎がアレルギー疾患の元凶という風に捉えられてきています。アレルギー疾患は成長とともに形を変えて、いろいろな病気が出てくることを「アレルギーマーチ」と言います。

具体的には、0歳でアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、1歳ころぜんそく、のちにアレルギー性鼻炎というように、アレルギー体質の患者さんが似たパターンで発症してくるのです。

それが「経皮感作」で説明されつつあります。この場でも繰り返し触れているように、皮膚から食べ物が入ることで、食物アレルギーを発症してきます。皮膚が食物アレルギー発症の重要な“入り口”であることは、疑いようのない事実だろうというところまで解明されてきています。

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーでお困りの患者さんが連日当院に受診されますが、「経皮感作」の話は欠かせません。その時に、だいたい「茶のしずく石鹸」の話もします。

石鹸を連用することで、皮膚から小麦が入り、小麦アレルギーになってしまったという、あの事件です。自分のお子さんとあの事件を重ねあわせることで、“おおごと”が起きていることを知っていただきたいのです。

アトピー性皮膚炎があると、それに次いで食物アレルギーを発症しやすいことも解明されてきており、更にぜんそくも発症しやすいという報告も出てきています。もしかしたら、0歳時に発症したアトピー性皮膚炎が、アレルギーマーチを引き起こすきっかけを作っているのかもしれません。

であれば、アトピー性皮膚炎を早期発見し、叩けばアレルギーマーチを何とかできるんじゃないかという発想が生まれませんか?。

私の仕事は、アレルギー専門医としてアレルギーで悩む患者さんを治療することですが、そのもっと根元の部分と言いますか、アレルギーを減らすことができるのかもしれないのです。

今や、日本は国民の2人だか3人が何らかのアレルギーを持つと言います。要するに根本的な解決策もなく、この状況に至っていると言えます。これを解決する方法が示されたと、私は捉えています。

多くの患者さんにこれを伝え、協力していただきたいと思っています。