小児科 すこやかアレルギークリニック

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悪化要因
2017年12月29日 更新

今日から年末年始のお休みをいただいています。患者さん達には、ご迷惑をお掛けします。

今年はいろいろな企業が、元日の営業を止めたりしているようです。便利になり過ぎている感もあり、これはいい傾向だと思っています。

ただ病気に関しては、いつ発症するか分からないため、どこもやっていないのは困りますよね。当院はアレルギーを中心に診療しています。自分が休むのだから、それなりに配慮はしているつもりです。

ぜんそくの患者さんも多く診ています。ぜんそくは、発作性に強い咳や呼吸困難を引き起こします。そりゃ、誰だって苦しくなりたくないはずです。

少し前にも書きましたが、今年の12月はかなり変です。ぜんそく発作を起こさないように予防的治療をしている患者さんが軒並み調子を崩し、夜間に咳き込んで眠れないというのです。きっかけとして、鼻風邪というのが多いようです。

当院で診ているぜんそく患者さんに、誰一人として年末年始の期間に悪化して欲しくないと考え、先程述べた通り、今年は調子を崩す人が多いことから、予防的治療を中止することなく、継続していただいております。

アレルギーは体質があり、悪化要因の引き金が引かれると、病気が悪化するのはぜんそくもアトピー性皮膚炎、食物アレルギーもみな一緒です。

今年は流行が早いですが、インフルエンザはいつ発症するか分かりません。一方、アレルギーは、決して予想できないことではありません。ぜんそく発作を悪化させ得る風邪は、いつ引くか予想できませんが、ぜんそくの予防薬を継続していれば、必要最小限に食い止められるのだろうと思っています。

先日、アトピー性皮膚炎で診ている患者さんが、川崎病にかかり、入院生活を余儀なくされたそうです。当然入浴できないし、お子さんなりにストレスもあったことでしょう。湿疹は相当悪化したそうです。

これも病気自体や入浴ができないこと、ストレスなどが重なり、アトピー性皮膚炎の悪化要因になったということです。これに関しては、どうしようもなかったことで、また皮膚の状態をよくしようとアトピー性皮膚炎の治療を強化しているところです。

アトピー性皮膚炎のステロイド治療も、皮膚がよくなったからとすぐに塗るのを止めることはしません。継続し、ゆっくり減らしていくのです。そうすうことで、悪化し、痒くて体を掻きまくったり、痒みで眠れなくなるのを防ごうとしています。

食物アレルギーは、悪化要因であるアレルゲンを食べないように除去していただくことになります。昨日も触れたように、アトピー性皮膚炎の湿疹から「経皮感作」を起こすことで食物アレルギーを発症しますので、アトピー性皮膚炎自体も悪化要因になります。

アトピー性皮膚炎とキチンと診断し、皮膚の状態をツルツルにし、それを維持することが大事なポイントになります。食べさせないようにしているだけでは、不十分と言えると思っています。

それと、他の病気と違うのが、悪化要因である食べ物を食べさせていると、食物アレルギーが軽快していくところが、ある意味面白いところでもあります。

昨日も、糸魚川から受診された患者さんにうどんの負荷試験をやりました。2月くらいだったか小麦アレルギーが重症ということでご紹介いただいたのですが、当院で負荷試験を行い、食べられる範囲で食べ続けていただいたら、どんどん食べられるようになり、何と昨日はうどん200gを完食されました!。

今日は「悪化要因」について述べましたが、食物アレルギーだけは悪化要因を避けてばかりいてはダメだということですね。