小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

TARC
2018年01月10日 更新

福岡での勉強会のため、3連休明けの診療でした。

かなり忙しかったです。私のやっていることはシンプルで、例えばぜんそくなら咳を安定させる、アトピー性皮膚炎なら皮膚をツルツルに安定させる、食物アレルギーなら少しでも食べさせる努力をするといったあんばいです。

熱が出ていれば、インフルエンザが疑わしければ検査をし、インフルエンザが出なければ、他の原因を探ります。RSウィルスやヒトメタニューモウィルス、アデノウィルスなどが見られています。

そんな中、あるお母さんからいきなり謝られました。アトピー性皮膚炎で当院にかかっていたのですが、市外から受診されていたので、遠くて近間の医者で済まそうと思ったそうです。

近くの小児科に行き、当院と同じ薬をもらいたいと訳を話すと、「皮膚がキレイだから」と断られ、「弱い薬を出します」と言われたそうです。

どうなったか、ご存知ですよね?。皮膚は悪化してきて、案の定、当院に戻ってこざるを得ませんでした。これが巷で言われる「リバウンド」ってことになるのでしょうか?。

実は、親御さんは当院で調べていた血液検査の項目の「TARC」の下がりが悪いという事情をその小児科医に説明しているのですが、「うちではやっていないヤツね」の一言で済ませてしまったそうです。

分からなければ、当院へ受診するように促すが筋だと思うのでしょうが、こんな対応しかできない医者も少なくないのだろうと思います。

ここで問題点を指摘すると、アトピー性皮膚炎は慢性的な経過を辿る、本当にねちっこい皮膚の病気で、ステロイド軟膏を使っても、そんじょそこらの治療では安定しません。

皮膚の状態も一見よく見えても、皮膚に細かい炎症が残っていれば、治療の手を緩めれば一気に悪化してしまいます。そうしないように「TARC」という検査項目があるのです。アトピー性皮膚炎の病気の状態をみることができるのです。

保険診療で認められているポピュラーな検査ですが、アトピー性皮膚炎にチカラを入れていない小児科医、皮膚科医が多いので、検査されることなく、いい加減な治療を繰り返されているのが現状です。

今回の親御さんも医師の知識の差に気づかれたようで、今後は真面目に通ってくださると思います。

こんな検査項目があることも覚えておいて欲しいと思っています。