小児科 すこやかアレルギークリニック

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逆に時間がかかる?
2018年01月16日 更新

昨日、ある患者さんが当院を紹介状を持って受診されました。

某県から最近転居されてきたのですが、以前住んでおられた土地では、全国的に有名なこども病院のアレルギー科にかかっていました。

食物アレルギーの患者さんだったので、負荷試験をやってくれるところということで、当院が紹介先として選ばれたようです。

大都市の大病院のアレルギー科にかかっていた訳ですから、親御さんからすれば、「田舎の開業医で大丈夫かしら」という不安もあるかもしれません。食物アレルギーは決して軽くないため、今後の方針も知っておいていただかなければなりません。

食物アレルギーは専門の医師が既に診ているというケースは、これまでほとんどありませんでした。専門医からの紹介状を持ってこられるパターンはあまりなかったような。

もちろん、これまで何を食べて、どんな症状を起こしたとか、除去になった根拠を知っておかなければなりません。

前医でも原因を特定できていないけれど、アナフィラキシーを起こしていました。確かに話を聞いても、これまで食べたこともがあるもので、強いて疑わしい食材の負荷試験も行っており、原因はよく分かりません。

前主治医からは、エピペンはまた起きたら処方しようということになっていました。これには私は反対です。原因が特定できていないけれど、既にアナフィラキシーを起こしており、次に起きた時に対処する武器を持っていないのは、困るはずです。

引き続き原因を特定する努力をする一方で、有事に備え、エピペンは所持していた方がいいだろうと考えています。そう説明し、保護者にも理解が得られたため、その日のうちにエピペンを処方しています。

私の活動のひとつとして、エピペンを処方した園や学校に出向いて病状やエピペンの使い方を説明するというものがあります。このお子さんにもそうしたいと思っています。

既に専門医にかかっていて、専門的な指導も行われており、そんなに時間がかからないかと思ったのですが、逆に時間がかかってしまいました(汗)。

別に無駄に時間を使ったとは思っておらず、必要な時間を掛けて診療したと思っており、それなりの信頼関係も築きつつあると考えています。

負荷試験が必要で、その前に転居が決まってしまい、必要な負荷試験は当院で引き続き行うことになりました。

これまでの医療と同等、もしくはそれ以上が提供できるよう、頑張りたいと思っています。