この週末も、カルテとにらめっこでした(汗)。
来月の学会の準備をしていたのですが、湿疹と食物アレルギーについてまとめようと思っています。
要は、「経皮感作」といって湿疹から食べ物が入り込み、食物アレルギーを発症するかという話なのですが、タイミングってとても重要なポイントとなります。
当院受診のタイミングは、患者さんにより様々です。生後1か月くらいの湿疹が出始めて間もない頃という方もいらっしゃいます。この場合、まだ食物アレルギーを発症していないことが多いのですが、生後6か月を過ぎて、卵を食べてアレルギー症状を起こして受診される方までいらっしゃいます。
このケースは、ほとんどが湿疹があり、卵などの「経皮感作」を受け、卵アレルギーが完成しているのを、知らずに家で卵を食べて、体にじんましんが広がり、ビックリして近所の小児科にかかり、卵アレルギーと診断されるパターンです。
青天の霹靂のように、卵アレルギーを起こしてしまい、どうしたらいいか分からず、当院を受診されるのです。
私からすれば、いつも言っているパターンです。アトピー性皮膚炎があるのに、“乳児湿疹”などと誤診され、「経皮感作」が完了しているので、それを避ければいいと考えるのですが、多くの皮膚科医、小児科医にとっては、難解な作業のようです。
言葉は悪いですが、敢えて言えば、“手遅れ”になる前に受診していただきたいのです。
湿疹をアトピー性皮膚炎と診断されず、過少診断・過小治療することで、湿疹がよくならないばかりか、重症だと卵だけでなく、牛乳や小麦、大豆アレルギーと何種類もの食物アレルギーになり、しかも少量で症状を起こすようになっています。年齢でいうと、生後6か月以降で多いようです。
患者さんは、医師に言われるまま真面目に通院しているのですが、いかんせん医師のレベルが低いと、アトピー性皮膚炎を見逃され、食物アレルギーが重症化してしまいます。以前も使った言葉ですが、「鉄は熱いうちに打て」なのです。
いつも言っているように、アトピー性皮膚炎とキチンと診断したり、「食べて治す」という食物アレルギー対応をしている皮膚科医、小児科医はほとんどいません。
鉄は熱いうちに打たなければならないのに、冷めてどうしようもない状況で受診される患者さんも一部いらっしゃいます。
乳児期の湿疹の改善が悪いと思えば、月齢でいえば生後6か月以内に医者を代えるというのが、現実的な「一番のクスリ」と言えるだろうと思っています。