少し前に、新潟県の教育委員会で働く女性が過労死したのではないかというニュースが報道されました。
規定よりもはるかに多い時間外労働を強いられており、ある日突然倒れられ、亡くなったのだそうです。この事実は、内部告発で明らかになりました。
内部告発って、マイナスなイメージがあるかもしれませんが、組織は隠蔽体質だったりすると、自浄作用はあまり期待できないことがあり、必要なものだと思っています。
日本の保険診療の制度はどう考えてもおかしいと思っています。同じ病気を診れば研修医でも、はたまたその道の専門医であっても、同じ報酬となっています。つまり努力してもしなくても、変わらないということです。
若い医師は、患者さんひとりひとりに全力で向き合う医療に憧れているはずです。しかし、実際の現場では、1人に時間をかけて診療することは許されず、徐々に理想とは離れた現実の“医療”に染まっていくのだろうと思います。
患者と医師は対等の立場にあるとかは理想論で、終始医者のペースで診療が進みます。医者に機嫌を損ねられると、不利になると患者さんも考えるようです。常に医者の立場が強く、患者さんは医師に気を遣い、思ったことも言えずに、診察室を追われるように出されることも少なくないと思います。
こんなことに医者も慣れてしまえば、れっきとした独裁者でしょう。
普段、ガイドラインのことをよく書いています。私の力を入れているアレルギー疾患にもガイドラインはあり、その存在を患者さんに知っていただきたいと思っているからです。
いつも触れていることですが、食物アレルギーのガイドラインには食物負荷試験をして、食べられるものは食べられるようにしましょうと書かれていますが、それを守っている医者ってどれくらいいるでしょうか?。
多くはアレルギー採血の数値をみて「除去しなさい」と言うだけで、負荷試験をして食べさせる努力もしていません。頃合いをみて「自宅で少しずつ食べさせてみなさい」と言います。患者さんが危険な目にあっても、責任を取りたくないからです。
アトピー性皮膚炎のガイドラインには、アトピーの診断基準が書かれており、正しく診断して、悪化しやすい慢性の皮膚の病気に適確に立ち向かうように記載があるのですが、多くの皮膚科医、小児科医が“乳児湿疹”と言い、効かないようなキンダベートなどの軟膏をちょっと塗って、悪化の繰り返し。
こうする医者は、ガイドラインに沿わないことをする、みな“独裁者”と言ってもいいでしょうね。
こういう人達が日本の医療をダメにしていると「内部告発」したいと思います。