小児科 すこやかアレルギークリニック

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ピーナッツ3
2018年01月31日 更新

先日、2、3歳のお子さんのピーナッツの負荷試験をやりました。

通常、多くの医師がピーナッツがクラス3という数字を見ると、「ピーナッツアレルギーだ」、「完全除去しなさい」、「一生食べられないかもしれない」とか言うと思います。

いや、クラス1とか2とか微妙なケースでもネガティブな言葉を並べ立てて、食べないように説得するのだろうと思います。

ところが、この患者さん、何の問題もなくピーナッツの規定量をペロリと食べました。ピーナッツアレルギーではなかったのです。

私もアナフィラキシーを起こす可能性を無視して、無茶をして無理やり食べさせた訳ではありません。ピーナッツアレルギーを詳しくみる「Arah2」がクラス0だったので、この子は除去する必要がなさそうだと分かっていたからです。

親御さんは、ピーナッツをず~~っと除去し続ける状態から解放されたのです。園に上がったり、学校に上がったりする度に「うちの子、ピーナッツアレルギーがあって、ずっと食べていないんです。除去をお願いします。」なんて言う必要もないし、園や学校もピーナッツに目を光らすことも不要です。

今週は、医師同士の連携について書いています。連携したがらない医師が多く、連携しては収入が減るからでしょうか?。

世の中の多くの小児科医、皮膚科医が食物アレルギーに無関心で、アレルギー採血の数字をみて「食べるな」と言っています。

今回のような患者さんは、巷にはそれなりにいるはずなのに、当院へは紹介すらないのです。その結果、一生かどうかは分かりませんが、こういった子の周囲の大人が必死になってピーナッツを除去し続ける光景が全国が繰り返されているのでしょう。

患者さんにベストな医療をしようともせず、自分の持っている低いレベルの医療を患者さんに押し付けて、診療報酬をせしめている医者は、患者の敵なんだろうと思っています。