当院は、負荷試験は朝9時から開始しています。
昨日は、負荷試験の2名がかなり遅れてスタートしました。2人とも新潟市からの患者さんで、高速道路が事故で通行止めになっていたため、一部の区間が下道を走ることになったそうです。遠いところ、申し訳なく思っています。
もう1人はまたの機会に触れるとして、1人は少し前に当院を初めて受診された方でした。
新潟市内の病院で、卵白の値がクラス5のため、卵の完全除去を前医から指示されていたようです。食物アレルギーを知らない医者がよく行う指導です。私なら、卵の含まれているものを何か食べさせようとします。
アレルギー採血がしばらく行われていなかったので、再検させていただきましたが、卵白の抗体価がクラス5は変わりませんが、50台が70台に上がっていました。それを見ると、なおさら多くの医師が卵の完全除去継続なんて言いそうです。
特に意に介さず、予定通り卵クッキーで負荷試験をやることにしました。このやり方は、15年以上前から行っており、行けるだろうと思っていました。
親御さんからすれば、半信半疑で負荷試験の際は不安だったろうと思います。負荷試験は、ホントにいろいろな反応が起こり得ます。「絶対」はないというのも、長年の経験から得られたことです。
結果は、あっさり卵クッキーを3枚完食。それと同等の卵の量を食べられることが分かりました。
負荷試験後に、もう昼になっていましたが、負荷試験の結果を踏まえて、結果説明を行っています。新潟市から当院まで距離にして120キロ。しかも高速の事故もあって、渋滞もあったため、もう来たくないと思う患者さんもいるかもしれません。
診察室に入ってこられた時、「渋滞にも負けず、来てよかったでしょう」と言いますと、「来てよかったです~」と返事がありました。夫婦で来られていましたが、お父さんが、多分無意識でしょうが「よかった~」としみじみつぶやきました。
それを聞いて、私も「あぁ、良いことしたな」と思いました。卵については、卵クッキーを食べられた患者さんは、カステラ、卵焼きと順次食べさせていく予定です。以前も書いたかもしれませんが、“勝利の方程式”に乗って、進めていくだけです。
負荷試験は、医師が責任を持って食べられるかどうか確認する検査です。起きたことのすべて医師に責任があります。ある意味、リスキーですが、それと同時に得られる喜びはとても大きいのです。
完全除去を指示したり、「家で少しずつ食べさせなさい」という医者には絶対に味わえない喜びだと思っています。だから、やめられないんですね。