小児科 すこやかアレルギークリニック

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イクラアレルギー
2018年02月05日 更新

連日、負荷試験を行っています。

基本的に何でも負荷試験をやっています。ピーナッツ、ソバ、エビなども負荷試験の適応になります。アレルギーに詳しくない医師は、あれもこれも除去というような感じでしょうね。

最近、食物アレルギーのお話をさせていただく場合に使っているデータあります。ピーナッツ、クルミ、カシューナッツ、ソバ、魚、エビ、カニ、イカ、タコ、イクラ、タラコの負荷試験をやり、解除率が約85%だったというものです。アレルギー検査の数値が低いのに、怖くて食べさせられないという人もいれば、過去に症状を起こしているが、食べられるようになったかどうかを判定するために負荷試験をやったりします。

これらのなかなか治りづらい食材、除去されることの多い食材であっても、結構食べられるということを理解していただきたいと思っています。ですから、これらも十分負荷試験に値すると考えています。

数年前ですが、新潟市からイクラアレルギーの患者さんが受診されました。アナフィラキシーを起こしており、本物でした。

タラコは加熱して食べることが多く、除去が不要のことが多いですが、イクラは生で食べるので、負荷試験でも陽性となる確率は結構高いです。

これまでの経験から、イクラアレルギーは数値が高ければ高いほど、食べられないと捉えています。時々はアレルギー採血をやる必要があります。以前、クラス3だったと思いますが、昨年再検したら、どういう訳かクラス0になっていました。

食物アレルギーは以前症状が出ていて、検査がクラス0に低下しても、食べると症状が出ることがあります。このケースも負荷試験の適応となります。

十分量のイクラを持ってきてもらい、負荷試験をやりました。何と、完食です!!。

イクラは食べて意識を失くしたお子さんも複数診ており、怖いアレルゲンのひとつだったのですが、この患者さんは治ってしまったのです。

実は、少しずつ食べさせていこうと計画しており、その説明を親御さんにもしていて、まず採血をしてみましょうという状況で、クラス0になっていたので、自然経過ということなのでしょう。

いずれにしても、イクラアレルギーは治る場合もあると、私の中にインプットされました。親御さんから「新潟県に先生がいてよかった」と有り難いお言葉を頂戴しました。積極的には何もしていませんが、“諦めない”という部分は評価をいただいたのでしょう。

こういう貴重な体験をさせていただき、私の方が感謝です。こんな体験をもっとしたくなってしまうんですよね(笑)。