最近、インフルエンザは減ってきているようです。
それでも「診療」と「学会活動」の二足のわらじは、疲れますね(汗)。夜、ちょっと寝るつもりが、起きたら1時、2時で、それから学会の準備です。
医師って、勤務医時代は学会活動をすることが多いのですが、開業した途端にあまり参加しなくなり、徐々に学会から遠ざかるようです。周囲の医者を見ていれば分かります。
今日取り上げる、TARCとRASTの関係は学会の第一人者も教えてくれないので、自分で調べるしかないと思っています。
「TARC」はアトピー性皮膚炎の病気の勢いを、「RAST」は食物アレルギーの程度を表すと言ったらいいでしょうか?。少し前にもこの場で示したと思うのですが、ある程度は相関関係にあるようです。
つまり、アトピーの治療によりTARCが下がると、RASTも下がることも多いと思います。これは、成育医療研究センターの先生が出した論文にも書かれています。食物アレルギーは、食物アレルギーだけを診ていればいい訳ではなく、皮膚もより丁寧に診ていく必要があることを表しています。
では、食物アレルギーで卵やミルクの数値が高く困っている患者さんも多く、皆に皮膚治療をすれば、RASTがどんどん低下していくかと言えば、そうでもないようです。特に大きい子は、アトピーも落ち着いてくることも多く、仮に治療してもRASTが下がらないことも多いようです。
一例を。乳児期後半にTARCが4000以上あり、アトピー性皮膚炎の治療を勧めましたが、塗り方が甘かったようで、1歳前後の時点でTARCは3000程度にしか下がりませんでした。その間、卵白の値はクラス3から4に上がってしまいました。
これはいけないとしっかり軟膏を塗布し、3か月後にTARCは1000くらいに下がるのですが、卵白は下がるどころか、クラス5まで上がってしまっていました。
この差って何なのでしょう?。アトピーの皮膚の悪い状態が長く続くと、その間に卵が入り続け、皮膚治療しても下がらないようになってしまうのでしょうか?。それとも、できるだけ早い、若い時点で対応しないと、不可逆的になってしまうのか?。この辺は、明確に答えられる医師はほとんどいないのではないかと思います。
なるべくアトピー性皮膚炎や食物アレルギーを早く見つけ、患者さんに説明し、早く対応していくというスタンスでいくということは、間違いなかろうと思っています。