昨日、負荷試験の極意について、思っていることを書きました。
また、各都道府県における食物負荷試験実施施設を検索できることについても触れました。
新潟県では、当院がいまだにトップレベルの件数を実施しているにもかかわらず、記載されていません。この負荷試験実施施設が地元の患者さんのことを第一に考えたものならば、当院が掲載されていないのは、おかしいはずです。学会でも、何度かそう主張しています。
結局、学会幹部には「負荷試験は病院でやるべき」、「開業医にやらせる訳にはいかない」という意固地な考えがあるのかなと予想しています。
負荷試験実施施設が具体的に載っている訳ですが、その隣に丸とか星印が付いています。それで年間の負荷試験実施件数が分かります。
一番少なくて1~50件。1年でこの程度だと、私に言わせれば、やっていないに等しいくらいです。
確かに、小児科医の仕事は食物アレルギーだけではありませんが、日常診療でアレルギー検査をやることはそれなりにあり、検査がクラス2以上で、摂取歴がなければ負荷試験の適応になるはずです。
最近は、アトピー性皮膚炎の湿疹部位から「経皮感作」を受けると言われています。世の中の多くの小児科医が、“乳児湿疹”と誤診していますが、実はアトピー性皮膚炎のことが多いです。当院のデータでは、アトピーの赤ちゃんの7割が卵に感作されています。
0歳で、卵を食べる前のタイミングで検査すれば、かなりの確率で卵が陽性に出るため、いずれも負荷試験が必要になるはずです。病院の規模にもよりますが、そういった赤ちゃんは年間で50人以上はいるはずです。
ですから、負荷試験の実施件数が1~50件という施設は、やるべきことをやれていないし、見逃しも多いのではないかと思ってしまうのです。
実際、実施件数がその程度の医療機関が多く掲載されています。ある先生が、年間100件以上やっているところは、信頼できるというようなことをおっしゃっていました。
負荷試験をこだわって実施しており、質の高い負荷試験を行っている医療機関を載せるべきだと思っているのですが、「患者さんのために」と頑張っている、一開業医の意見は無視され続けているのが残念でなりません。