小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

カシューナッツの負荷
2018年04月05日 更新

当院は、ナッツ類でも負荷試験を積極的に行っています。

ナッツ類は、負荷試験を実施している施設でも避けることが多いようですね。それこそクルミなどはクルミパンやクルミ和えとして給食に出るでしょうから、シロクロをつける必要があります。

カシューナッツも滅多に出ないようですが、年間1、2回は給食に出るようです。ピーナッツは、豆まきでも使われますので、負荷試験をやらない訳にはいきません。

ピーナッツについては、「Arah2」というピーナッツアレルギーを見極める検査項目ができたお陰で、負荷試験はだいぶ楽になりました。

しかし、クルミやカシューナッツなどは、そういうArah2的な項目がないため、クルミやカシューナッツそのものを使って負荷試験をやるしかないようです。

皮膚テストが有効であるという人もいるようですが、私の中では「どうだろう?」という感覚があり、そのもので負荷試験をやっています。

全国的に負荷試験を行う病院も増えてきて、ナッツ類の負荷試験も行われるようになってきているものと思います。にもかかわらず、最新のガイドラインには負荷試験のやり方は提示されていません。

少量、中等量、日常摂取量という3段階に分けてというのは、卵、乳、小麦だけで、大豆や魚、甲殻類、ソバ、ナッツ類などは負荷試験に用いる総量が記されているのみです。

こういう食材は、初回量はどれくらいがおススメとか、どういうように増やしてくとかあればいいと思うのですが、記載はありません。ガイドラインを作る第一人者達の意見が食い違っているからですかね?。

結局、負荷試験は自分の力で切り開き、やり慣れていくしかないようです。「ナッツ類の負荷はリスキーだ」と思っている医師は少なくないでしょうし、それが広がらない理由の一因になっているのでしょう。

何度も書いていますが、少し前にクルミの負荷試験でアナフィラキシーショックを経験してからは、全例極めて少ない量から負荷試験を行うようになりました。

先日、カシューナッツで負荷試験を行いました。検査がクラス2から1に低下しており、食べられるかもと思い負荷をしました。

0.2gを食べさせた途端、口の中を苦いといい、食べることに難色を示しました。ここで中止としました。アレルギー採血の結果がクラス1に下がっても、まだダメなようです。少し増量して、負荷試験を続行したなら、強いアレルギー症状を起こしたかもしれません。

もちろん、1、2粒食べても平気な子もいるでしょうし、負荷試験をやってみなければ分からないことですが、カシューナッツやクルミなどは少ない量から食べさせていくのがいいのだろうと考えています。

一度に3g食べさせるような医療機関もあるようで、結構アナフィラキシーが起きているのかもしれません。医療機関はこういうネガティブな情報は表に出しませんので、どうなっているのか全然分かりません。

そろそろ専門病院も含め、ネガティブな情報も持ち寄り、危険な負荷を減らす方向に進んでいくべきではないかと考えています。