4月20日(金)は休診です。
学会参加というか、学会発表があり、飛行機で九州に行ってきます。
私の仕事は、新潟県の子どものアレルギーを改善させること。「アレルギーしかやらないのかよ」って突っ込まれそうですが、小児科医がベースにありますので、小児科一般の診療をやるのは当然のことです。
県内各地から患者さんが受診してくださり、場合によっては100キロ以上離れていたりしても、園や学校から受診を勧めてもらったなどと言われると、背筋がピンと伸びる思いです。
今も結構難しいケースや頻度の少ないものを診ています。有名医師がサジを投げるようなケースでもです。アレルギーは手間がかかり、特にアトピー性皮膚炎なんて多くの小児科医、皮膚科医が面倒くさがり、皮膚症状が改善していないにもかかわらず、延々と同じ薬を出し続けるという不誠実極まりないことをやっています。9割以上という驚くべきハイアベレージでしょう。
何故そうなのか?。時間だけかかり、効率が悪く、利益に結びつきにくいからでしょう。逆に、そういう患者さんを責任を持って診るようにすれば、特に初診時に時間がかかりますが、落ち着いてくれば、手間もかかることもほぼなくなります。あまりこういう言い方はしたくないですが、“時間もかからず、効率もよく、利益に結びつく”ことになります。
上越の地で10年以上頑張ってきて、食物アレルギーなどは、食べられるようになって“卒業”してしまった患者さんも大勢いますが、患者さんは増える一方。1日当たりの診るべき患者さんも大勢います。
それだけでも大変なのに、私にはやらなければいけないことがあります。それが「学会発表」なのです。
食物アレルギーにこだわり始めた16年前から、多くの患者さんの診療を行ってきました。日本の第一人者も完全除去を指示するようなケースでも、卵クッキー、ミルククッキーを食べさせてきました。そうした方が治るというイメージもありました。
しかし、その一方で難しいケースもあることを知っています。そうこうしているうちに、アトピーの湿疹からの「経皮感作」の考え方が知られるようになり、食物アレルギーは予防できる時代に移行しつつあります。
そのためには、乳児アトピー性皮膚炎を早期に見つけて治療するひつようがあり、何とかなるかもしれないと考え始めています。
当院のデータでは、生後3か月から一気に卵アレルギーが進むことが分かりました。つまり、卵アレルギーを予防したいなら生後1、2か月から動かないといけないのです。
全国津々浦々、小児科医や皮膚科医が赤ちゃんの湿疹を診ると、アトピー性皮膚炎とは全く考えず、“乳児湿疹”と言い、過少診断・過小治療を繰り返しています。それでは困るのです。
ということで、今年は当院のデータを全国学会で発表し、「経皮感作」は驚くほど早くから始まり、食物アレルギーを予防するには、湿疹をみたらアトピーを疑ってかからないといけないということを多くの医師に知ってもらう必要があります。
2月に食物アレルギー研究会で発表してきましたが、4月は日本小児科学会で発表してきます。今年は全国学会で6回発表する予定です。
診療だけでも結構大変ですが、学会活動も並行してやらざるを得ず、今年は例年よりも精力的に行動していかねばと思っています。