昨日、カレーでアナフィラキシーを起こした幼児が、ようやく有名専門医の外来に辿り着けたけれど、スルーされた話をしました。
結局、周囲に勧めで当院を受診されています。勧めてくださった方の期待に背く訳にもいかず、こちらで精査をすることになりました。
以前は、カレーを食べてアレルギー症状が出た場合、隠し味に用いられたピーナッツが原因のことが多かったようですが、最近はメーカーの配慮もあり、使用されなくなっていると聞いたことがあります。
最近は、スパイスが原因のことが多いようです。今回は、あるメーカーのカレーと特定できていましたので、中に含まれるスパイスのサンプルをいただき、皮膚テストで特定することにしました。
その結果、何種類ものスパイスが含まれる中、4種類のスパイスで皮膚テストが陽性となりました。この4つとも、もしくはどれかが原因だろうと考えました。
前にかかっていた医師から、「カレーの除去」という診断書が書かれていましたが、提出し直すことにしました。その4種類のスパイスの除去と新たに書くことにしました。
すると、その子の通う園の担当栄養士さんから疑問が投げかけられました。4種類のスパイスを除去するとなると、今まで食べていたものまで食べられなくなると…(涙)。詳しく調べると、そうなってしまうのだそうです。何と「カレー除去」という以前の診断書よりも、食べられないものが増えるというのです。
それを聞いたときは、絶句してしまいました。そう嘆いてもいられません。スパイスアレルギーの報告は少なからずありますが、負荷試験までやっている報告はほとんどないはずです。多くが皮膚テストで診断を確定されているようです。
昨日の話じゃないですが、私にはかわすことも、逃げることもできないので、可能性の低いスパイス2種類で負荷試験をやることにしました。
結果は、両方とも陰性。これらは解除できます。となると、残りの2つのどちらかが原因なのか?ということになります。
この際、その2種類でも負荷試験をしようかとも考えています。もちろん、アナフィラキシーを起こさないように慎重に。
こんな感じのことは時々あります。当院の苦悩は続きます。