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開業医と勤務医
2018年04月26日 更新

いきなりですが、開業医と勤務医ってあまり仲が良くないことをご存知でしょうか?。

昨日、開業医は身近な反面、軽い病気に対応できるが、重くなると対応できなくなる。それ以上の検査や治療は、総合病院で勤務医の先生によってなされると書きました。

確かに高価な医療機器や大がかりな手術などは開業医では行うことができず、やれることに関して、すみ分けが必要だと思います。ただ、それは開業医から「これは自分の手に負えないから、紹介しよう」と勤務医へうまく橋渡しができての話だと思います。

小児科だと、熱が続いて近くの開業医にかかっていたけれど、総合病院に鞍替えしてみたら肺炎があって、即入院を勧められた、なんて話も聞きます。また、開業医がぜんそくの治療が下手くそで、夜間発作を起こして深夜に総合病院を受診し、入院するなんてこともあるでしょう。

それだと言葉は悪いですが、勤務医が開業医の尻拭いをしていることになりますし、そういうことは少なくないように思います。内心、「もうちょっとしっかりやってくれよ」と思うこともあるでしょう。

一般的に、医療機関の格付けは、大学病院>総合病院>クリニックとなっており、医療の程度というか高度さもそのようになっていると思います。

クリニックで手に負えない患者さんが総合病院へ行き、そこでも対応できなければ、最終的に大学病院に行くということもあるでしょう。より高度で専門的な医療に対応している訳です。

先週、日本小児科学会に行ってきた訳ですが、発表は私のような開業医はほとんどなく、大学病院や大きな総合病院からでした。研究的なこともやっており、学会にも参加しなければならず、開業医よりは勤務医、大学病院の医師の方がより勉強していないといけないと思います。

肝腎の報酬は、ネットで調べてみると、平均年収は開業医が2500万、勤務医が1500万、大学病院の医師が1000万なのだそうです。より高度で、どの医師にもできることではないことをやっていて、給料が安いことになります。

開業医は、軽い病気だけ診て、夕方になったら診療が終わり。それ以降の時間帯は「総合病院に行きなさい」と言う医者もいるでしょう。もっと早いタイミングで「昼間に紹介してくれればいいものを」と思ったりすると思います。

やはり勤務医からすれば、開業医に対し、あまりいいイメージを持ちにくいと思います。私も正直言って勤務医時代はそうでした。

アレルギーだと、他院で診ていた患者さんが当院へ逃げてこられる訳ですが、いつも言っているように、ぜんそくを“風邪”、アトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”などと言い、いい加減なことをやっているのも開業医が多いです。大勢の患者さんが受診されるでしょうが、症状が改善していなくても同じ薬を出し続けるのも開業医が多いですね。症状改善よりも、効率重視の成せる業だと思っています。

それで勤務医からすれば、自分よりはるかに年収が高いのですから、よく思えないですよね。仲良くできるはずがないと思いませんか?。

もっと開業医が勉強し、責任を持てば、本来の“すみ分け”が可能になると思うのです。真面目にやっている開業医の先生もいると思いますが、アレルギーで言えば、多くがかなりいい加減なことをやっているように感じます。そういう先生にはほとんどお目にかかれないです。

日本の医療は、その辺も問題なのだろうと思っています。