小児科 すこやかアレルギークリニック

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昨日の補足
2018年05月17日 更新

食物アレルギーの診断に「食物負荷試験」が欠かせないことはご存知だろうと思います。

16年前の新潟県内は、誰も負荷試験の存在すら知らず、「絶対に広めてやる」という思いで活動してきました。今では多くの園•学校関係者が知ることになり、頑張ってきてよかったと思っています。

昨日、食物アレルギーの以前の対応は、とにかく除去、アトピー性皮膚炎はただ合併しているだけ、ステロイド軟膏はなるべく薄く塗り、改善したら中止ということだったと書きました。

今は全く逆ですね。なるべく食べさせる、皮膚から「経皮感作」を受ける、ステロイド軟膏はベッタリと広く塗り、「これでもか」っと塗り続けるという感じです。

今は正反対の対応をすべきなのに、勉強不足で、患者さんにベストの診療を提供したいと思わない小児科医、皮膚科医が多く、旧態依然とした“医療”を提供していると書きましたが、未だに「食物負荷試験」も隠蔽している医者って少なくないのは、悲しい現実です。

それはそうと、学会は負荷試験をやり、必要最小限の除去をするように勧めています。新潟はまだしも、全国的には負荷試験をやっている病院は増えているようで、それはいいことだと思っています。

この勢いで、すべての医療機関が増え続ける食物アレルギーのために、負荷試験をやるようになるかと言えば、それは期待できないだろうと思っています。医者は面倒くさいことはしたがらないし、自分の身にリスクが降りかかることを嫌います。つまり、負荷試験を実施する施設は伸び悩むだろうと思っています。

現状、かなり乱暴な負荷試験をやっている施設も存在しているようです。私はいかにアナフィラキシーを起こさないかに重点を置いていますが、アナフィラキシーを起こせばアドレナリン注射をすればいいくらいにしか思っていないドクターは少なくないようです。

食べてアレルギー症状で苦しむのは患者さんですし、更に親に心配がられ、医者が血相を変えてアドレナリン注射をすることになり、針を刺されてしまうのです。アレルゲンを食べることに恐怖心を植えつけられてしまいます。「食べたくない」と考えるのは、当然でしょう。

ガイドラインからは、負荷試験によるアナフィラキシーを避けようとする“熱い思い”が感じられないのは私だけでしょうか?。

これからの時代は、アナフィラキシーを避ける用意周到さが必要だと思うのです。学会で有名病院が負荷試験の発表していて、アドレナリン注射が何件あったと聞くにつけ、「分かってないな」と思ってしまいます。

負荷試験の在り方を変えていく必要があると考えています。その答の一つが、浜松で開業されている川田先生の「単回負荷」だと思っています。

そして私は、超早期からアトピー性皮膚炎を見つけ治療していかないと、「経皮感作」は避けられないことを指摘しました。食物アレルギーの予防について発表してきたのです。

これからはアナフィラキシーを起こさない負荷試験を行い、食物アレルギーを予防していかなければなりません。2人の開業医が全国学会でそういった発表をしたことが、現在の学会の手詰まり感を象徴しているように感じています。