日々、真面目に診療しています。
医療というのは、医師がプロフェッショナルであり、患者さんは医師に身を委ね、医師は患者さんの病気を適確に診断し、速やかに症状を改善させるというものだろうと思います。
当たり前のことなのでしょうが、当たり前のことができない医者って、ものすごく多いのが現実です。いや、病気によると言うのが適切でしょうね。
つまり、インフルエンザなら検査キットで診断し、タミフルやイナビルなどの抗ウィルス薬を処方されるのが普通です。開業医から大学病院まで、同じような対応です。
厳密には、利益を考えて、ちょっと手を抜いている部分もありますかね?。私の知る限り、富士フィルムの検査キットがインフルエンザの検査では性能がよいとされます。
検査キットの弱点は、発熱してから6時間くらいしないと陽性になってこないことが多いようですが、先の検査ではCMでもやっているように、インフルエンザウィルスに大きな目印を付けるため、それよりも短い時間でインフルエンザウィルスを検出できるようになっています。
性能は抜きん出ていると思います。ところが、多くの開業医がこの検査を採用していません。利益率では、普通の検査キットの方が有利だからでしょう。
いつも言うように、開業医は、「1円たりとも損したくない」と思う一方、「リスクは負いたくない」と考えるようです。だから、負荷試験をしない開業医がほとんどです。負荷試験をやれば、やった分だけのお金が支払われるのですが、「お金」と「リスク」を天秤に掛け、負荷試験をしない方を選択しているのです。
患者さんからすれば、信用してかかっているのに、患者さんにベストの医療を選択せず、別の思惑で診療されたら、たまらないですよね?。まあ、巷の“医療”というのはその程度のものですから(笑)。
この程度の話なら、いつも書いていることです。今回、「アレルギーあるある」と題したからには、少し目新しいことを書かなければなりません。
今日は、ずばり水イボについて。これもアレルギーではなく、皮膚の感染症ですが、多くの医者がひどいことをやっています。
夏が近づいてきました。水イボの対応に苦慮している人は多いと思います。多くの小児科医が「放っておけば治る」と言います。その通りにしていると、大抵増えてきます。嘘つきの医者が多いからでしょうね。
皮膚科医も、押さえつけてピンセットでつまみ取ったりしますが、とても痛いので、子どもは泣き叫びます。放っておいても、つまみ取るのも、子どもにとって最悪です。
当院はどうやっているか?。麻酔のテープを使い、痛くなくした上で取っています。ほとんどの小児科医、皮膚科医がこの方法を選択していません。面倒くさい、時間がかかる、要するに効率が悪いからでしょう。水イボがどんなに増えようが、心が痛まないようです。患者さんに適切な医療をと考える医師が、いかに少ないかを象徴する一面だろうと思っています。
これも1年に1回くらいは書いていますね。最後にきて、私の考える「あるあるネタ」を書こうと思います。
水イボのある子は、ほとんどアトピー性皮膚炎があると考えています。皮膚を掻き壊すことで、傷から水イボウィルスが入り感染するので、皮膚が痒くなければ、感染はしにくいようです。
これまで多くの水イボの患者さんを診てきましたが、非常に軽いものも含めて、アトピー性皮膚炎がありました。逆にアトピーがないのに、水イボのある子を探すのが難しいくらいだと思っています。
水イボのある子は、大抵アトピー性皮膚炎があり、そう言われていないとしたらアトピーが見逃されているのだろうと思います。