当院の場合、アレルギーの患者さんがほとんどなので、負荷試験と新患と定期受診の患者さんという感じです。
アレルギーは慢性疾患であり、治りづらいのは確かでしょう。多くの患者さんが真面目に通院してくださるので、年々患者さんが増えることになります。
食べられるようになって、食物アレルギーを卒業する患者さんもおりますが、ぜんそくやアトピー性皮膚炎も合併しており、なかなか減りません。
多くの開業医が、効率や利益を重視し、患者さん本意の医療をしていない訳ですが、当院では経営なんて全く重視していないので、こういう言い方はしたくないのですが、アレルギーにこだわれば、経営が安定するということを他の開業医に示し、アレルギーに力を入れることは悪くないということを知らしめたいと考えています。
そのためには、ぜんそくやアトピー性皮膚炎は相当治りづらいですが、諦めずに治療を継続していくべきだし、食物アレルギーは治りづらいとされる食材であっても、少しでも食べさせていくという方針をとっています。
昨日は、イクラで負荷試験を行いました。クラス4だった数値が最近の検査でクラス3に低下していたので、負荷試験を提案したのです。
イクラの負荷試験では、イクラを何十粒も食べさせる訳ですし、経験上クラス2以上だと、症状が出ることが多いと感じています。昨日の患者さんは、クラス3。なぜ強行したのか?。
まず、1粒でも強い症状を起こすことがあるので、1粒を舐めて口から出すという方法をとっています。その後、1粒、2粒、3粒と食べたところで、終了としました。
多分、目標の何十粒を食べさせようとしていたら、症状が出ていたであろうと考えています。当院では、無理矢理食べさせて、症状を起こさせるのは、かえってマイナスが大きいと思っています。
強い症状を起こせば起こすほど、その食材を更に食べてはいけないと考え、食べなくというか、食べられなくなってしまうのです。この場合、そういうやり方の負荷試験をやったこと自体が、間違いだと考えています。
ですから、昨日のようなケースでは、症状を起こす前に撤収したいと思っています。クラス3で、6粒食べられることが分かった訳ですから、1粒2粒食べていってもらおうと思っています。イクラに対するネガティブな印象も、さほど持たずに済んだと考えています。
魚介類やナッツ類、ソバなどは治りづらいアレルゲンとされていますが、完全除去していれば、前に進めないのは明らかで、諦めずに少しでも食べて一歩でも、這ってでも前に進んでいくのがよいと考えています。
治ると信じて、当院ではこのようにやっています。